いつか ページ32
・
AM1:00
微かなメール音で
私はすぐに目覚めた。
・
ソンジとこうして会うようになってから
どんなに夜遅くても
彼からの連絡をいつも待ってた。
・
枕元で光った画面を開いて見ると
ソンジからで
すぐに体を向き直して
まぶしく光る画面をタップした。
・
”明日、会いたい”
・
送られたメールはたった1行だけ。
・
”私も会いたい。待ってる。”
そんなたった一行だけのメールに
私も同じように1行だけ
それでも私の想いはその一行に
全部詰まっていた。
・
こないだ会ったばかりなのに
またこうして連絡をくれることが
単純に嬉しいって
また
こうやって何もかもすべて
私はソンジが全てになる。
・
iPhoneを胸にぎゅっと握りしめて
”好き”
心が痛くなるくらいに
私はソンジを愛してる・・・
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
またすぐに彼に会えることが
嬉しかった。
キッチンの向こうに座ってる
ソンジの前で
私はコーヒーを淹れた。
いつものように。
「またすぐに会えるなんて思わなかった。」
つい嬉しい感情が飛び出してしまう。
「・・・ああ、そうだね」
「・・・うん」
凄くドキドキしてて
やっぱり私を特別だって
思ってくれるんだって
そんな風に思った自分がいて。
だけど
「・・・来週、籍入れることになったんだ・・」
その言葉は今の私には重すぎて
「え？・・・」
馬鹿みたいに
強がることも出来ずに一度見たソンジから
目を逸らした。
いつか来るって分かってても
こんな日が来るって知ってても。
「・・・A・・・」
どうしてこんなに苦しんだろう
「A・・・」
気がつけば
涙は勝手に流れてて
ソンジに名前を呼ばれて
抱きしめられても
だからこうなるって言ったじゃない。
いつかこうして
自分を苦しめる日が来るって分かってたくせに。
「・・・嘘つき・・・っ」
言い放ったのは
こんな醜い言葉だけだった。
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作者名：菫 | 作成日時：2015年1月6日 1時
