WITHOUT YOU (ページ29)

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言えないことページ29

ジヨンがヨンちゃんと一緒に
おみやげを渡しに来てくれることになって。

こんな庶民的な狭い部屋に後ろめたさを
感じながら二人を待った。

インターフォンが鳴って慌てて玄関のドアを
開けると

「こんばんわ。」

そこに立っていたのはジヨンだけで。

結局一人で来たジヨンと
私は

ジヨンが買ってきてくれた
東京バナナの量を見て
思わず笑った。

１０箱って。笑

しかも賞味期限短いとか
ほんと迷惑なの頼んじゃったな。って思った。

けどまぁ、
久しぶりに食べて。

ほんっと、満足！

食べながらたわいもない話をしてて

ふと気がついた。

この時間。ジヨンお腹空いてないのかなって。

残り物でも食べるって言ってくれたジヨンに
カレーを差し出して

美味しいって食べてるジヨンを
眺めてた。

そう言えば
ジヨンと二人で会うのって
初めてだな。

てか。

こんなド庶民の私の部屋で

日本の家庭料理を食べてるジヨン。

しかも余り物のカレー。

それを食べさせてる自分に
なんか急に申し訳なさが込み上げてきちゃった。汗

わざわざうちに来てくれちゃって・・

けど、
目の前でカレー食べてるジヨンを
見てたら普通の男の人と
同じなんだな。なんて思った。

「・・・てかジヨン、なんかごめん、
こんな余り物なんかで。でもジヨンって
こうしてると変わんないね。普通の人と。」

目の前でおかわりって
そう言ったジヨンのお皿を受け取りながら
思わずそう言った。

「当たり前じゃん。」

スプーン片手にジヨンはきょとんとした
顔をしてまたおかわりのカレーを
食べ始めた。

・

なんか
ホッとするってこういうことなのかな。

・

「あー、食った！食った！マジうまかったー！」

・

「ありがとね？美味しいって言ってくれて。」

・

「恋人が出来たらきっといい彼女になるねAは。」

ジヨンはいたずらにそう言って笑った。

・

ジヨンが帰った後

キッチンに放りっぱなしのお皿とマグカップを
洗いながら考えてた。

ジヨンにソンジのことは言えなくて

好きな人いないのって聞かれても
いるなんて言えなくて。

・

今私のしてることを知ったらきっと。

ジヨンは幻滅するだろうなって
そう思ってるから。