WITHOUT YOU (ページ23)

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臆病者ページ23

・

うまくいってたらいいな。

ジヨンから彼女とのことを聞いて

それで辛そうにしてるジヨンを見ているのは
凄く嫌だった。

・

2人のことは2人にしか分からない。

だけど

きっとジヨンはまだ好きだから。

・

ジヨンが後悔しないように。

いつだってそう思ってた。

・

隣できっと思い悩んでるジヨンの傍で

私も

ふいに鳴ったメールの音に気がついて
iPhoneの画面を開いた。

「ごめんごめん。次、どっか行こうか？」

ポケットにiPhoneを突っ込んで
ジヨンはそう言った。

「んー、ヌナどうする？」

・

「えっと、私はそろそろ帰ろうかな。
お腹いっぱいで眠くなった！」

・

「単純だな。」

「だって。笑」

「なら送ってく。」

ヨンちゃんが
そう言うも私は頭を横に振った。

「自分で帰るからいいの。」

「だから送ってくってば。」

「だから、ほんとそーゆーのやめて。
私だって一応ちゃんとした社会人ですから。」

・

「ほんっと頑固だよねそーゆーとこ。」

・

そう言って笑ったジヨン。

・

「モテないよ、そんなこと言ってたら。」

・

はぁ、ヨンちゃん・・。

「大きなお世話です。」

私はそう言って笑い飛ばした。

・

ジヨンはウェイターさんに
タクシーを回すように伝えてくれて

私は先にお店を出た。

「ヌナ、着いたらメールして？」

会ったら必ずジヨンはそう言って
心配してくれる。

・

外に出るとひんやりととした風が
頬を伝う。

さっむいなぁ・・・

タクシーに乗った私は
薄いコートで来ちゃった事に
後悔してた。

・

２人に会った日は
いつも
最初から最後まで笑える自分がいて

彼らに会ってから私は

私はもう少し

自分を大切にしなきゃって

そう思えるようになったんだと思う。

だけど

”週末、会えなるかな。”

そんなメールの画面を見つめたまま
いつまでも初恋のような
甘い痛みが心の奥深くから
蘇っていて。

ずっとずっと好きで
そして離れられない人。

今ではもう好きになってはいけない人に
変わったのに。

私は

諦めなければいけない恋を

いつまでも

終わらせられない

臆病者で

そしてただの弱虫なんだ。