WITHOUT YOU (ページ15)

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再会ページ15

・

驚いた。

だって

私がした行為は迷惑で

それできっと

私が渡しちゃったものなんて
正直彼の手元に届くって

思わなかったから。

また会うなんて

思っても見なかった・・・

・

”彼はトップアイドルで
スターだから”

ユンジェがそう言ってた言葉がよぎる。

私のことはむしろ迷惑な奴だって
そう思ってるはずで。

だから
私に会うことすら
迷惑だろうって。

・

「・・・あの、

迷惑でしたよね。

だから・・

捨てちゃって結構ですので」

思わぬ展開で
それで彼の助手席で
小さく身を潜めるように
座った私は

早くここから
いなくなりたい。

そんな一心でつい
勢いよく
そんな言葉が飛び出す。

言い切ったあとで。

一瞬だけ彼に視線をやった。

・

あの時

初めて会った時。

私が見た彼とは
ちょっと違ってた。

思ったよりも頼りなさげに
座ってて

この車は
大きすぎるほど

彼は心許ないほど華奢で。

ラフな格好をした彼は

どこにもでいる
ただの男の子。

そんな風に思うと
自分が言った言葉に罪悪感が
芽生える。

けど、いい。
今は頼りなさげでも
彼は
G-DRAGONで

アイドルなんだから。

お礼を言ったのも
社交辞令。

きっとそうに決まってる。

・

「いえ・・そうじゃなくて

すいませんでした・・
失礼なこと言いました俺」

・

「いえ。大丈夫です」

・

もう、いいから。

・

私が非常識だっただけ。

・

今もなお降り続く雨。

さっきよりも少し速度を落とした
ワイパーの音が

少しだけ雨が弱くなったことを
示していていた。