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「大体のことは元をたどればあの事故に行き着く。だから、忘れたいのに」
ぼそっと呟いた二宮。
「ニノは悪くない。ニノのせいじゃない」
首を振った大野。
そのまま、ちらと櫻井にも目を向ける。
「もちろん、翔くんも悪くない」
「でも」
「誰も悪くない。他の班との折り合いは俺がつける。何も気にしなくていいから」
松本が複雑そうな表情で三人を見る。
あの事故は、班員たちにとってはあまりにも衝撃が大きかった。
「あの事故では誰も死ななかった。でも、みんなを殺した」
呻くように言ったきり、糸が切れたように櫻井の身体の上に崩れ落ちた二宮。
櫻井は二宮の頭を撫でて、そのままソファに寝かせようとする。
それを見て松本が無言で近づいて、二宮の身体を抱き上げた。
察した櫻井が、布団を敷こうと立ち上がった。
気を失った二宮を見て、顔を歪める。
「やっぱり、言わなきゃ良かった」
頭を掻いた大野が、ははっと笑った。
自嘲の笑いだ。
「大野さんも、休んだ方がいいよ。相葉くんのところにいた方がいいと思う」
松本の言葉に、小さく頷いた大野。
「そうする。……ごめんね、ほんと」
首を振った松本を見て、部屋を出て行った大野。
手には二宮のボイスレコーダーを持ったままだ。
「布団敷いた。こっちに」
「分かった」
櫻井が敷いた布団の上に二宮を寝かせる。
「みんな、参ってるな」
苦笑した櫻井。
「翔さんも、でしょ？」
「俺は平気。松本は？」
「いや、俺も平気」
どちらも平気ではないのに、そう言うしかない。
「翔さん」
「ん？」
「俺、和のことが分からない。どうしたらいいのか、どう向き合ったらいいのかが分からなくて」
松本の顔を見た櫻井。
じっと顔を見て、ふっと目をそらした。
「みんな分かってない。みんな、お互いにどう接したらいいのか分からないんだよ。難しいね」
ただ一つ言えるのは、と二宮の頭を撫でながら続けた櫻井。
「あんな事故をもう起こしちゃいけない。こんな思いをする隊員を、他に作っちゃいけない。絶対に、繰り返しちゃいけない」
「……そうだね」
知っている者は限られている。
だからこそ、あの記憶は根深く残ってしまう。
「俺も、潤にどう接したらいいか分からない。松本なんて呼んでて、ごめんな」
「大丈夫。翔さんが呼びたいように呼んでいいから。呼び方なんてそんなに問題じゃない」
「……ありがとう」
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芙咲子(プロフ) - 合格おめでとうございます♪うちの娘と同い年ですね（笑）ホント決まって良かった！おめでとうございます！ (2020年3月9日 16時) (
レス) id: 588e77ad1d (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - 西野えみぃ☆さん» ありがとうございます！ゆっくり更新していくので待っていてください。笑 (2020年3月9日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
西野えみぃ☆(プロフ) - 合格おめでとうございます！！同じ年だと言うことに驚きました！！小説の更新気長に心待ちにしています！！受験おつかれ様！！ (2020年3月9日 1時) (レス) id: 94d9a88e4f (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - 芙咲子さん» ありがとうございます！世界観が好きという言葉、とても嬉しいです。のんびりゆっくりにはなりますが、これからも書き続けたいと思います。これからもよろしくお願いします。 (2019年12月24日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - orangeさん» ありがとうございます！いえいえ、コメントをいただけるだけでもとても嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2019年12月24日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2019年1月7日 16時
