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「お、お帰りニノ」
「松永と話つけてきましたよ」
ポケットから機械を取り出しながら言う二宮。
「……お得意のボイスレコーダーか」
松本が肩をすくめる。
どこかへ話をつけに行く時、二宮は必ず会話を全て録音している。
「証拠は取っておかないとね。大野さん、その報告書のこと、よろしくね」
「だと思って、松永の名前は出してないよ」
ひら、と紙を取り上げた大野。
「さすが大野さん」
「まあね」
「何？ ニノまたいつもの脅しかけてきたの？」
パソコンに向かっていた櫻井も、椅子ごと振り返る。
「脅しとは人聞き悪い。取引って言ってよ」
「ニノがやってること、ほぼ脅しと同じ。俺のやり方よりタチ悪いよね」
「いや翔さんのやり方もなかなかだけど？」
ふは、と笑う櫻井。
自分にとって有利、不利なことと、相手にとって有利、不利なこと。
そこをお互いの利益にするための取引は、部隊では頻繁に行われていたりする。
隊員同士の裏取引、いわゆる買収のようなものだ。
取引の仕方、内容にはもちろん違いがあるが、人によって個性が出る。
「何を引き合いに出したの？」
「まず、大野さんと翔さんを襲った現場にいた、という事実の揉み消し。これからも松永の仕事のミスを俺のミスと認めること。そのぐらい保証すれば大体いける」
松本が顔を引きつらせる。
サラッと言っているが、事実の揉み消しを条件に出して、実際にそれを出来てしまう二宮の方が怖い。
「すげえな」
「あの事実の揉み消しは、松永にとってだいぶ大きいからね。そのまま報告したら、手出してないとは言え処分食らうもの」
他人事のように言う大野。
あまり興味はなさそうだ。
「大野さんも、そうなんじゃないの？」
「俺は自分で弁明するからいいわ。それこそ隊長と取引でもするよ」
「……大野さんこっわ」
肩をすくめて、二宮がソファに座ってボイスレコーダーと向き合う。
隊長相手に取引を持ちかける隊員なんてほとんどいないだろう。
「俺には今までの信頼と実績があるからね」
「よく言うよ」
苦笑する松本。
散々事件を起こしてきたのはどこの誰だ。
大野は苦笑して、椅子から立ち上がった。
櫻井が立ち上がって、二宮の近くに座る。
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芙咲子(プロフ) - 合格おめでとうございます♪うちの娘と同い年ですね（笑）ホント決まって良かった！おめでとうございます！ (2020年3月9日 16時) (
レス) id: 588e77ad1d (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - 西野えみぃ☆さん» ありがとうございます！ゆっくり更新していくので待っていてください。笑 (2020年3月9日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
西野えみぃ☆(プロフ) - 合格おめでとうございます！！同じ年だと言うことに驚きました！！小説の更新気長に心待ちにしています！！受験おつかれ様！！ (2020年3月9日 1時) (レス) id: 94d9a88e4f (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - 芙咲子さん» ありがとうございます！世界観が好きという言葉、とても嬉しいです。のんびりゆっくりにはなりますが、これからも書き続けたいと思います。これからもよろしくお願いします。 (2019年12月24日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - orangeさん» ありがとうございます！いえいえ、コメントをいただけるだけでもとても嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2019年12月24日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2019年1月7日 16時
