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到着した医師と看護師も、現場を見て息を呑んだ。
「そんな」
「その人、もう息してませんよ。多分失血死かと」
顎で隊員を指した櫻井。
「そうだな。失血量が多いし、確認するまでもないところはあるが、一応病院には運ぶ。そっちは」
「止血はしてるけど、どうも止まらない。危ないかも」
どんどん二宮の顔から血の気が引いていく。
こちらも時間の問題だ。
「これ」
二宮が櫻井に拳銃を渡す。
黙って受け取った櫻井。
「輸血の準備して。こっち優先だ、運んで」
ストレッチャーに乗せられて運ばれる二宮。
「ごめん翔さん。この場は任せた」
「分かった。ニノについててあげて」
「うん」
二宮についていく松本。
その場に残った医師が、倒れた隊員の元に近寄る。
ライトを取り出し、目の動きを確かめて、頷いた。
「ダメだな。もう亡くなってる」
拳銃を構えて、撃つ仕草をした櫻井。
「パーンと右胸を一発」
医師が驚いてその場から離れた。
本格的に撃つ時の構えだったからだ。
「さっきの銃声のような音、本当に銃声だったのか」
「みたいだね。にしても心臓に近いところを撃ってるよな」
心臓からは五センチと離れていないだろう場所だ。
きっと、二宮は心臓を狙って撃った。
「結構射撃の腕良かったもんな」
非戦闘員だから求められていない能力ではあったが、二宮はかなり銃の扱いがうまかった。
下手な戦闘員よりも命中率は高く、銃の腕前だけなら戦闘員としても問題ないレベルだった。
五センチくらいなら誤差の範囲だ。
感覚がまだ残っていたのだろう。
また拳銃を構えた櫻井を見て、医師はどんどん下がっていく。
「何で拳銃がここにあるんだろうな。銃携帯は禁止されたのに」
「そうだね、不思議だよ」
そう言いながらも分かっていた。
あの発砲音で分かった。
パーンと響く軽い音。
二宮が持っていた拳銃を見て、確信に変わった。
大野が愛用していた拳銃だ。
やはり、大野が禁止されたにも関わらず拳銃を持っていたのだろう。
手の中にある拳銃。
雹隊に移籍して以来、非戦闘員になった櫻井はそこまで銃を持つ機会はなかった。
射撃の練習のときに、銃の手入れのために持つくらいだ。
現場でも戦闘員しか持たない。
非戦闘員は許可が下りなくなった。
「懐かしいな」
右手に持って眺める櫻井。
「発砲するなよ」
「しないよ」
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芙咲子(プロフ) - 合格おめでとうございます♪うちの娘と同い年ですね（笑）ホント決まって良かった！おめでとうございます！ (2020年3月9日 16時) (
レス) id: 588e77ad1d (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - 西野えみぃ☆さん» ありがとうございます！ゆっくり更新していくので待っていてください。笑 (2020年3月9日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
西野えみぃ☆(プロフ) - 合格おめでとうございます！！同じ年だと言うことに驚きました！！小説の更新気長に心待ちにしています！！受験おつかれ様！！ (2020年3月9日 1時) (レス) id: 94d9a88e4f (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - 芙咲子さん» ありがとうございます！世界観が好きという言葉、とても嬉しいです。のんびりゆっくりにはなりますが、これからも書き続けたいと思います。これからもよろしくお願いします。 (2019年12月24日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - orangeさん» ありがとうございます！いえいえ、コメントをいただけるだけでもとても嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2019年12月24日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2019年1月7日 16時
