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「もしそうだとしたら、この状況はまずいよな」
隊長の言葉に、ばっと部屋を飛び出した松本。
「ちょっ、松本！」
櫻井を置いて廊下を走って行ってしまう。
『何？ どうしたの？』
怪訝な声を上げた大野。
「松本が一人で走っていって」
大野が息を呑む音が聞こえた。
『翔くん追って！ 危ない！』
焦ったような大野の声に、櫻井は隊長に一礼をしてから部屋を飛び出す。
「何であんな足速いんだよ」
数秒の差なのに、松本の姿は既に見えない。
『翔くんも遅くはないでしょ、早く！』
「分かってるよ」
松本が向かっているだろう場所に向かって櫻井も走る。
『ニノ、大丈夫かな』
不安そうな相葉の声が聞こえてくる。
『分からない、まずいことになってないといいんだけど』
隊員同士の揉め事。
死亡例がない訳ではない。
だから怖いのだ。
過去には、五人がよく知っていた隊員が、隊員同士の揉め事で亡くなっている。
「いた、松本！」
前を走る松本の背中を見つけ、追いかける櫻井。
「翔さん」
ぱっと振り返って足を止めた松本。
思ったよりも冷静に見えて、櫻井はほっとした。
「ほんと足速いんだから」
「翔さんも足速いじゃん、もう追いついたの」
二人でまた廊下を走る。
訓練場まではあと少しだ。
その時聞こえた、軽いパーンという音。
はっとして、二人とも立ち止まった。
それは、最近聞かなかった音。
「銃」
何でそんな音が。
『訓練場の方向』
その場で固まった二人の通信機から、大野の冷静な声が聞こえてきた。
『もしかしたらニノが発砲したのかもしれない。早く』
「え？」
どういうこと？ と聞く前に、通信が切れた。
「ニノが銃を持ってる訳ないのに」
櫻井の言葉に、少し目を見開いた松本。
「もしかして、大野さんが銃を持ってるんじゃ」
「まさか。本部内での銃携行は禁止されてるのに」
昔は銃携行は許されていた。
戦闘員なら手続きを踏めば、常に持ち歩くことができたのだ。
非戦闘員でも、許可が下りれば携行することができた。
二宮は携行許可が下りていたため、非戦闘員では珍しく、銃の扱いを知っている。
ただ、それは昔の話だ。
銃携行が禁止されたのは何年も前の話。
何年もの間、銃を隠し持つことなんてできるのか。
「とりあえず後で考えよう」
「そうだね、とにかくニノを見つけるのが最優先だよ」
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芙咲子(プロフ) - 合格おめでとうございます♪うちの娘と同い年ですね（笑）ホント決まって良かった！おめでとうございます！ (2020年3月9日 16時) (
レス) id: 588e77ad1d (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - 西野えみぃ☆さん» ありがとうございます！ゆっくり更新していくので待っていてください。笑 (2020年3月9日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
西野えみぃ☆(プロフ) - 合格おめでとうございます！！同じ年だと言うことに驚きました！！小説の更新気長に心待ちにしています！！受験おつかれ様！！ (2020年3月9日 1時) (レス) id: 94d9a88e4f (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - 芙咲子さん» ありがとうございます！世界観が好きという言葉、とても嬉しいです。のんびりゆっくりにはなりますが、これからも書き続けたいと思います。これからもよろしくお願いします。 (2019年12月24日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - orangeさん» ありがとうございます！いえいえ、コメントをいただけるだけでもとても嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2019年12月24日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2019年1月7日 16時
