【鋼の錬金術師】禁忌を犯す者、煉獄に堕ちる (ページ7)

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秘密の錬金術ページ7

リザに履歴書が渡される。
三枚の履歴書、あの三人組のものだ。
【マリア・クリスティー(霹靂の錬金術師)
　経歴：１０歳の時両親が精神疾患を負い離れ離れに。
　居候していた家の少女が死亡してから二年後、両腕を切断された状態で保護される。】
【クレア・クラスター(混沌の錬金術師)
　経歴：１２歳まで違法孤児院に在籍。売買により引き取られたと思われる。
　孤児院から脱走、その後３年間の経歴不明。
　孤児院側から虐待などを受けていた模様。
　妹が衰弱死した１年後、左足と右目を切断された状態で保護される。】
【ミリア・ヴァイスタンス(堕落の錬金術師)
　経歴：家族関係不明。すでに死亡していると思われる。
　９歳で孤児として良心的な里親のもとで育つが、里親は一か月後に惨殺され発見。
　その時すでにミリア本人は行方不明。
　その後彼女の街に住む者全員が何者かに惨殺されるが犯人不明。ミリアは依然行方不明。
　このころ「電光の錬金術師」だった姉が死亡。
　その二年後に廃村状態となった町の中央で発見、保護される。】
その履歴書を読み終え、リザは大佐を青ざめた顔で見る。
リザ「大佐。これは・・・！！」
マスタング「ああ。マリアは両親に娘として認識されずに過ごし、友達の家で育てられた。そしてその友達を錬成しようとした。クレアは違法孤児院で劣悪な生活を送り、ともにその環境に身を置いていた妹が衰弱死し、練成しようとしている。」
リザ「そこまではともかく・・・ミリアは・・・。」
マスタング「・・・・ミリアの両親は彼女の目の前で横暴な一般兵に射殺されている。彼女の街は小さく、すぐ近くにいた良心的な里親のところに送られたのだが・・・その里親は惨殺され、その町に住む者は全員惨殺されている。同様の凶器で同様の犯行で、な。」
リザ「まさか・・・その時の彼女は９歳ですよ・・・！？」
マスタング「・・・目の前で両親が死に、彼女は精神が限界を超えてしまった・・・と本人は言っている。かのキンブリーのように自覚のある異常者だと。町が滅んだころに彼女の姉、国家錬金術師だったミリム・ヴァイスタンスが死亡している。こちらも軍人との戦闘訓練のミスだった。そのあと痛覚を失った状態で保護されている。」
リザ「・・・。」
マスタング「エルリック兄弟は自分で身を守れるし、三人が奴らを殺すとは思えない。それに・・・誰かが一緒にいないと三人の精神は完全に・・・。」
　