【鋼の錬金術師】禁忌を犯す者、煉獄に堕ちる (ページ25)

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痛恨の錬金術ページ25

エド「嘘だろ・・・。」
家の外に出てきた一同が目にしたのは真っ黒に焦げている橋だった。
谷の向こう岸に渡るにはこの橋を使うしかないのだが、谷底に落ちてしまっている。
エド「落雷か・・・!」
ウィンリ「どうしよう・・・。」
エド「どうもこうも・・・こういう時こそ俺の出番だろ！」」
エドが両手を合わせた。
アル「そうか！錬金術で橋を！」
エドが地面に手をつく。足元の岩が形を変え向こう岸へと伸びていく。
エド「いっけぇぇぇ！」
マリア「・・・無理だ。法則にしたがえば必ず・・・。」
大きな音を立てながら橋にヒビが入り、先端が折れた。
折れた先端は谷底の川に落下し大きな水しぶきを上げる。
ドミニク「なんだ？どうなった？」
エド「クソッ！」
拳を地面に叩きつけるエド。
ウィンリィ「どうしたの！？」
アル「自重で落ちちゃうんだ・・・。」
ミリア「向こうまで橋を作るのにかなりの大質量を錬成する必要がある。だけど、錬成途中で橋自体が自分の重さに耐えきれずに折れちゃうんだ。」
エド「こっちから一方的に橋を渡すには距離がありすぎる・・・どうする、考えろ・・・橋脚付きの橋を作ったら・・・。」
マリア「下は洪水だ、錬成途中に足元をすくわれるのがオチ。仮に橋脚を付けたとしても下の洪水の勢いからすると、脚が錬成中に折れて流される。もし向こうまで届いてもやめた方がいい・・・。」
ミリア「それに質量保存の法則のこともある。そんな馬鹿でかいもの作ったらこっちの足元が足りなくなって・・・。」
エド「・・・崩れるだろうな。・・・・くそ！なにか方法はないのか！」
ドミニク「時間がねぇ、まだ雷もなっていて危険だ。いつまでもここにいる訳にゃいかんな。」
ドミニクが一層険しい表情になった。
ドミニク「ここの反対側に旧道があって山ひとつ越えたとなり街につながってる。医者を連れてくるにはこっちの道の数倍時間がかかるだろうがこの際グダグダ言ってらんねぇ。」
そういうとドミニクは馬にまたがった。
ドミニク「おめえら家に戻ってサテラを励ましてやってくれ。じゃあな。」
ドミニクは旧道へ向かい馬を走らせた。
残されたエドはきつく唇を噛み締めた。
エド「なにが国家錬金術師だ、なにが人間兵器だ・・・。また肝心な時に、俺は無力だ・・・！」
クレア「エド、アル、ウィンリィ、ミリア、マリア・・・リドルさん。まずいことになった。」