改心の錬金術 ページ23
ドミニクに帰れと言われたが突然の豪雨により足止めをくらい、仕方がなくしばらく休ましてもらっていた。
しかし雨は一行に止む気配はなく・・・。
ミリア「雨やまないね〜。」
マリア「あぁ〜オートメイルが痛い・・・・。」
クレア「うぅ・・・。」
パニーニャ「うぅ〜雨の日は付け根が痛むなぁ〜・・・。」
機械鎧の接合部分をさすりながらそう言うパニーニャ。
マリア「パニーニャはどうして機械鎧になったの？」
パニーニャ「列車事故に巻き込まれてね。身寄りも無い上に歩けなくなったらもうこの世の終わりって感じよね。地べたを這いずりまわって生活した期間はそんなに長くなかったけど、あたしを絶望の底に追い込むには充分な時間だった。」
彼女の脳裏には車いすから落ちて、一人ぼっちで這いずり回る自分の姿が浮かんだ。
パニーニャ「死人の目・・・。あの頃のあたしの目はそのぐらいひどかったんだろうな。でもある日ドミニクさんがあたしをじっと見つめてきたの。」
「何見てんのさ・・・。」
「自分がこの世で一番不幸ってツラしやがってこんガキが。オメェみてーのが一番腹立つわ。」
「うわっわわっ！離せー！」
「うるせい。」
パニーニャ「結局何がなんだか分からないうちに機械鎧付けられて、手術は痛いわリハビリはしんどいわで最悪だったね！」
マリア「あーその気持ちわかる。」
クレア「手術は痛いし、リハビリは苦痛だし、最悪だよなぁ。」
パニーニャ「でも・・・両足で立てるようになった時は嬉しかった。なんかお日様が近く感じたっていうか。・・・・・この足はあたしに生きる希望をくれた。だからドミニクさんが大好き。同じ機械鎧技師のウィンリやリドルさんも大好き！」
リドル「照れるなぁ。」
ウィンリィ「・・・でもさ。だったら何でスリで代金払おうとするの。ドミニクさんが誠意を込めて作ったものなんだからアンタだってちゃんと働いて返しなさい！エドだったらこう言うわね。等価交換だって！」
ミリア「そういう稼ぎ方をして生きる道に走ってほしくないから受け取らないのかもよ。」
クレア「単に頑固さが出てるだけかもしれんがな。」
マリア「黙ってて。」
クレア「へい。」
ウィンリィとパニーニャの目が合う。
パニーニャ「分かった。スリは止めてコツコツ返すよ。あ、スリといえばエドに時計返すの忘れてた。」
ウィンリィ「これが国家錬金術師の証か〜初めて見た。アイツ頑なに開けるなって言ってるし・・・あたしの出番かしらね。」
パニーニャ「あんたのそういうとこ好きよ。」
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作者名：主君創作 | 作成日時：2020年1月2日 13時
