悲哀の錬金術 ページ18
少し前。
中央では葬儀が開かれていた。
エリシア「ママ。どうしてパパ埋めちゃうの？」
グレイシア「エリシア・・・。」
そう、今行われているのはマース・ヒューズ中佐の葬式だ。
エリシア「ねえ、おじさん達なんでパパを埋めるの？」
中佐の入った棺を墓に埋める軍人達に問いかけるエリシア。
しかし彼らはただ口を固く閉じ穴を埋める。
エリシア「やめてよ・・・パパお仕事いっぱいあるって言ってたもん。」
グレイシア「エリ、シ・・・ア・・・。」
父の死を受け入れられない娘の言葉に涙を流す妻グレイシア。
大総統はただ黙って棺を見つめる。
大佐もそれに習い友の入った棺を見つめる。
少佐は涙を流す目を必死に手で抑える。
クレア、マリア、ミリアの三人も、黒い服を着てそれを見つめる。
エリシア「やめてよぉ・・・パパお仕事できなくなっちゃうよぉ・・・。」
墓が埋められた後、大佐は墓の前に立っていた。
マスタング「・・・中尉、そろそろ戻ろう。雨が降ってきた。」
リザ「？雨なんて・・・。」
マスタング「いや、雨だよ・・・。」
泣いていることに気付いた中尉は頷いた。
そしてそのあと。
クレア「死んじまったな・・。」
ミリア「うん。そうだね。」
マリア「いい人、だったんだけどな・・・。」
クレア「ああ。あんなに悲惨な戦争にいたのに、それすら気づかせないほど親ばかで明るくてさ・・・。」
ミリア「優しかったよ。あの人。なんで死んだのかな・・・。」
マリア「・・・誰かに銃で撃ち殺された。それだけだって言ってたけど・・・おかしいなぁ・・。」
クレア「？」
マリア「だってさ、書庫で何かを発見して、軍の電話使うの躊躇って、最後の言葉は軍がやばいだったって。それで銃で撃ち殺されてる・・・。」
クレア「・・・・・・邪魔だから軍部にかかわる誰かが殺した、か。」
ミリア「僕、歩き回ってくる。」
クレア「二の舞になりたいか？俺たちは軽々しく関われない。大佐も気づくだろうし、表向き動くのはよそう。」
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作者名：主君創作 | 作成日時：2020年1月2日 13時
