第32話 ページ2
天馬｢…よし、行こう！｣
改めて、エイトジムの前に立つ。
さっきとはまた違った緊張感を感じる。けれど、ここまできたならやるしかない。
立派な作りのドアを押す。鍵がかけられているかと思ったけれど、意外とすんなりとドアは開いた。
天馬｢お、おじゃましまーす…｣
木製のドアはギィ…と音を立て、静かに閉まる。それは広い広いバトルコートにも音が響いていたようだ。
奥の方からコツコツと、誰かの足音が聞こえてきた。
神童｢すまないが、ここはもうすぐ…あれ？君は、さっきの…｣
神童さんだ。少し驚いたような表情をして、こちらを見ている。
…よし、今だ。
天馬｢こんにちは！ライモンタウンの松風天馬と言います！今日は…｣
神童｢バトルならさっきも言っただろう。帰ってくれ｣
天馬｢ち、違います！バトルじゃありません。今日は貴方にお話があってきました！｣
神童｢話…？｣
神童さんは、その後｢とにかく、上がってくれ｣と自室へと案内してくれた。
いかにも高級そうな調度品が沢山置かれている。
そして、恐らく彼が手に入れてきたのであろうジムバッジもずらりと並べられている。
天馬｢わぁ…すごい！これ、神童さんのバッジですか！？｣
神童｢あ、ああ…丁度1年前かな、貰ったのは…｣
少し戸惑っているような、困っているような神童さんは、紅茶をいれてきてソファに座った。
｢君も飲むといい｣と言う彼のお言葉に甘えて…1口。
天馬｢…！すごく美味しいです！｣
神童｢良かった。ガラル地方から取り寄せている茶葉なんだ。お客さんが来た時は必ずこれを出すことにしている。俺も気に入ってるからな｣
少し笑ってくれたみたい。良かった。
さっきまでの無機質な目とは違う、優しい目をしている。
神童｢…それで。松風｣
天馬｢？はい！｣
神童｢君の本題は、一体なんなんだ｣
そう。本題。俺はそれを話に来た。お茶は美味しいけど、本来の目的はそっちじゃないんだ。
天馬｢…さっきの、ジムを閉める件についてお話がしたくて｣
俺がそう言うと、また冷たい目だ。
拒絶するような、それでいてどこか悲しそうな、そんな目。
神童｢…何度言われても考えは変わらない。ジムは閉める。それだけだ｣
天馬｢どうしてですか？ポケモンバトルは…｣
神童｢ポケモンバトルは、楽しいか？そうだな、けどそれだけじゃない…それだけじゃないんだよ｣
そう話す彼は、辛そうな、泣き出しそうな顔をしていた。
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まかろん(プロフ) - 雪華さん» ありがとうございます！相変わらず更新は亀並かもですが、引き続き楽しんでいただけると嬉しいです (2021年3月19日 9時) (
レス) id: 61c9c6f856 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 続編おめでとうございます! (2021年3月19日 9時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - 星猫さん» こちらこそ、せっかくのお誘いを断ってしまいすみません…！ (2021年3月18日 21時) (レス) id: 61c9c6f856 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - すみませんでした；；続編おめでとうございます。 (2021年3月18日 21時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - 星猫さん» 申し訳ありませんが、当方社会人のため、遅筆でご迷惑をおかけしてしまうと思います。また、今現在こちらのシリーズで手一杯なので…申し訳ないのですが、お断りさせて頂きます。またの御縁がありましたらよろしくお願いいたします (2021年3月18日 21時) (レス) id: 61c9c6f856 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まかろん | 作成日時：2021年3月18日 18時
