変革の第一歩 ページ10
仲間に混じってシャドウと戦う青は、太宰のいる場所からでもよく見えた。
「ずるいなあ。言うだけ言って、私には返事もさせないで」
纏わり付いていたしがらみが、少しだけ軽くなった気がする。
A達が自分のために戦ってくれるというなら、それを見届けなくてはならないだろう。太宰は祈るような気持ちで、彼らを遠目に見ていた。
シャドウの耐性と回復能力に、彼らはやはり苦戦しているようだ。だが、冷静さを取り戻した太宰には、ある違和感が見て取れた。
あれを利用すれば、現状を変えることができるかもしれない。少し様子を伺ってから、太宰はシャドウの方へ駆け出した。
「太宰さん!?」
誰かが驚いて太宰の名前を叫ぶのが聞こえた。双葉が慌てて何かをしようとしたが間に合わなかった。振り返ったAと目が合った。
「Aちゃん……いや、シリウス!」
名前を呼んで、手を伸ばす。Aは太宰の真意を理解したらしく、自分の銃を彼へ向かって投げた。
放物線を描くそれを落ちる前に受け止め、素早く狙いを定める。
躊躇いなく引き金を引くと、放たれた弾丸はシャドウの背後の映写機へと真っ直ぐに飛び、主要な部品を破壊した。
『なっ……お前、何を!』
シャドウの意識が後ろへ向かう。その隙を、彼らは見逃さなかった。
「戦いの最中に背を向けるか」
「隙あり!」
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じゃがりこ
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はつらい(プロフ) - 優曇華院咲月さん» ありがとうございます。面白いと言っていただけて嬉しいです! (2021年2月4日 23時) (レス) id: f8150a8d0e (このIDを非表示/違反報告)
優曇華院咲月(プロフ) - 何でこんなに面白いのに伸びないんだ!?…とても面白かったです。 (2021年2月4日 9時) (レス) id: 6169f467e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はつらい | 作成日時:2020年6月3日 19時