優しいと思っていた先輩が本当はドSだった。【アミィ・キリヲ】

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お風呂にも入り終え、寝床につこうとした途端、先輩が私を呼び止めた。
｢…なんですか、眠いんですけど｣
｢おやすみのち｢嫌です｣
即否定した事で先輩は膨れた。なんでそんなに…

｢ほら、明日居なくならないとは限らんやろ？だから確認のや｣
｢…そう簡単に居なくなりませんって…心配しすぎです｣
｢でも｣
｢キスは先程しましたし…また明日、おやすみなさい…｣
｢あ、ちょっ｣
先輩の言葉を無視して反対側を向き、眠りについた。


＿＿＿




夢を見た。
彼女が僕の元から消える夢。
｢あの時、寝ずに起きていれば｣
後悔してももう遅い。

そして夢は現実になってしまった。


＿＿＿



｢んんぅ…Aちゃ…ん…？｣
目が覚めて横を見ると彼女は居なかった。しばらく待っていると襖を開ける音が聞こえ、同時に上を見る。
｢…起きてましたか｣
｢どこ行っとったん？｣
｢お手洗いですよ…まだ夜中なんですし寝ましょう…くぅ｣
なんやくぅって、可愛すぎやろ。
それで安心し、布団へと戻る。
寝てはいけなかったと気付いたのは次に目が覚めた時だ。

｢…寝つけへん…寝かしてAちゃん…｣
また名前を呼ぶ。返答がない。
｢…？｣
隣を見るともぬけの殻。辺りも荒らされている。頭が追い付かない。一体何が＿＿＿。

｢手紙…｣
彼女の布団の上にはくしゃくしゃにされた紙くずが。開いてみると2行の文字列が。


〈たす＿＿＿、＿ん＿い
く＿しい…〉

シミができていて読みにくいところがあるが、読み取ってみると、

｢…"たすけて、せんぱい、くるしい"…




Aちゃん…！！！｣


正夢だった。あの夢は。
時間なんて気にせず、すぐに着替えて携帯を持ち、家を飛び出した。

｢…君がいなきゃ、っ僕は…！！｣

足がもつれそうになりながら人が行き交う街を走り抜ける。




｢絶対に、助けるから……っ｣

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