４人がそれぞれに思うこと・５ ページ47
赤side
青【望にひとつ貸しなって言うといて】
入浴前、俺が衝動的に送ったメッセージはあまりにも短く読解困難。正直、返事に困ったと思う。
それでも察しのいいあいつにはその短文でも俺が何を言いたいのか理解しているのだろう。
別に何か返答を求めていたわけではないが、何の脈略もない、予想外の内容な上に今一つなボケなのに少し笑えてくるのは、まだ少し心が回復していなかったのだろう。
赤【誰が言うかばぁーか。】
流星の優しさも無視して、いつものように挑発的な言葉を勢いのままに送り返して携帯をポケットへ突っ込むと、ふぅと短く深呼吸し気持ちを整えた。
キッチンへ引き返し慣れた手つきで炒め物を作る望に声をかける。
赤「なぁ」
桃「んー？」
今回の事は、自分の弱さが招いた事。
またみんなに心配をかけてしまった。
赤「あのさ…飯食ったらちょっと話さへん？昨日の話の続き」
桃「昨日の続き？何や、まだ風呂の事気にしとんの？」
赤「うん。昨日、風呂で望が言っとったこと。あと俺らの今後のこと…」
真剣な話であることに気づいたのか、望は一旦コンロの火を止め、こちらに向き直った。
赤「今日はほんまにごめん。俺のせいで流星と神ちゃんにバレてもうた…。でも、だからってワケやないけど、一回ちゃんとメンバー全員に俺らのこと話さへん？それで…その、これから先の事…も含めて、二人で考えてみいひん？」
俺の話を受けて望は目を見開いてものすごく驚いているようで、耳もほのかに赤い。
それなのに何も言わず黙ったままでいられると、段々と不安になってくる。
桃「あーあ、先言われてもうた」
赤「え？」
桃「さっきから考えててん。二人に知られてしもて、このまま何もなかった事にはできひんよな、って。」
赤「そうやね」
桃「やろ？だから大毅が和風選んだら飯の時話そうと思ったんよ」
赤「何やそれ」
桃「大毅が和風選んだら今日、中華風選んだら明日。いつ話を切り出そうか勝手にそう決めててん。」
赤「そんな賭けみたいな事してたん？」
今日か明日かなんてさして変わらんやろうに…
桃「あと一つだけ訂正ね。これは大毅だけのせいやないよ。先に惚れたんは俺の方やし。俺ら二人の問題やん」
赤「あっ、いや、その…ごめん…」
桃「やなくて？」
赤「あっ…えっと……ありがとう」
桃「はい。ほれ、飯もう直ぐできてまうで」
赤「あっ、髪乾かさな！」
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作者名：がうら仁歩 | 作成日時：2021年4月19日 18時
