陽だまりに溢れて (ページ5)

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愛しい秘密・４ページ5

桃side

青「望、お前マスクしてんのに口元ニヤけてんの隠せてないで。」

やっと帰り支度を終わらせロケバスに乗り込んできた流星に先程の喜びの瞬間を見られてしまっていた。

桃「ええやん、別に。俺は今幸せを噛み締めてたんやから！」

青「ほーん。お熱いこって。」

興味があるのかないのか、流星は冷やかす程度でそこまで深く触れる事なく、座席に着くとそのまま寝る態勢に入った。

ロケバスが出発し東京に着くまで約１時間半。

斜め後ろに座る流星はすっかり熟睡モードに入っている。

自分も到着するまで寝ようと思ったが、先程の疲れは何処へやら、睡魔どころか目が冴えてしまっている。

自分から誘っておいてなんだが、久しぶりに恋人に会える嬉しさからか気持ちが昂ってどうにも落ち着かない。

別に付き合いたてのカップルってわけでもないし、なんなら付き合う前から色々あり過ぎて、他所のカップルより恋人らしい雰囲気は少ないかもしらん。

でも、世間はもちろん、家族や友人、メンバーにだって秘密のこの関係は、どんなことがあったって守っていきたい。

あの日、泣いて拒絶されて、それでも好きだと言ってくれたあいつに一生をかけて愛情を注ぎたい。

窓越しから見える海に沈む夕陽を眺めながら、あの時の出来事をふと思い出し、我ながらクサいセリフを思い浮かべて思わず苦笑いをこぼした。