陽だまりに溢れて (ページ16)

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人の気も知らないで・２ページ16

桃side

黄「のんちゃん、濵ちゃん、おはよう」

移動車で乗り合わせた濵ちゃんと一緒に楽屋に入ると淳太が先に来ていた。

桃「おはようございます！！」

黄「朝から元気やな」

久しぶりみんな揃っての仕事なので、気合い入れと嫌がらせも込めて大きめの声であいさつをしたら淳太がいつも通りの嫌そうな苦笑いをする。

桃「他のみんなはまだなん？」

黄「いや、照史も来とるよ。トイレ行ってくるって出てったからもうそろそろ戻って来るんちゃうかな？」

桃「そーなんや」

適当に空いているソファーに荷物と上着を置いて座ると、淳太が言ったとおりトイレから照史が戻ってきた。

橙「二人ともおはよーさん。今日いつもより早いんやない？」

黄「確かにそうやね」

紫「そやねん！小瀧さん、今日すぐマンションから出てきたんよ！」

たしかに流星ほどではないが、自分もわりとギリギリな方。

でも今日は朝のなんとも甘いモーニングコールのおかげで余裕で到着した。

今朝、玄関で “ いってらっしゃいのチュー” をした時のしげの照れまくった表情を思い出し、つい顔がニヤける。

紫「え…怖い怖い怖い」

黄「すごい表情になっとるで」

橙「どんだけ良いことあったんか知らんけど、なんや幸せそうな顔しとんなぁ」

三人に引かれようが構わない。

あんなに甘いひと時を味わっておいて平常心でいられるわけが無いのだ。