陽だまりに溢れて (ページ11)

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愛しい秘密・１０ページ11

桃side

チャポンと水音が浴室に響く。

大毅を後ろから抱きしめるようにして二人して湯船に浸かる。

成人男性が二人一緒に浸かるにはちょっと窮屈なので大毅はいつも狭いと文句を言ってくるが、好きな人と密着できるので俺はわりとこの感じが気に入っている。

不意に大毅がもたれかかってきた。

赤「…今日、なんかあった？」

桃「え？」

赤「さっき何か考え事してたやろ？」

大毅が真っ直ぐ俺を見つめてくる。

しまった、と思った。

ロケ疲れに酒も飲んだせいか、テレビを観ながらぼーっとした頭でつい流星に言われたことをまたもや考えてしまっていた。

さっきはキスして誤魔化したつもりだったが、あの時点で大毅には気づかれていたようだ。

本当は大毅には悩ませたくないけれど、二人の問題でもあるし、変に隠したり誤魔化したりして不安にさせたくない。それに、そんなことをしても勘のいい大毅には無意味だろう。

そう思い観念して正直に話した。

桃「今日帰り際にな…流星に、気が向いたら彼女の事話してや、って言われてん…」

赤「………ああぁ……」

あいつ意外とそういうとこ気がつくんよなぁ、と大毅は溜息混じりに苦笑いした。

赤「…望はみんなに言いたい？」

顔をこちらに向け小首を傾げて聞いてきた。

無意識に見せてくる可愛い仕草に胸がキュンとして、抱きしめている腕にほんの少し力が入った。

桃「んー、正直分からへん。いつかは…とは思うねんけど…」

赤「そやんなぁ。流星と神ちゃんはともかく他の三人が面倒そうやしなぁ。」

桃「たしかになぁ…」

赤「あいつら変なところ真面目やから、高校生の望に手出したって知ったら、俺、シメられるんちゃう？」

そう言って大毅は自嘲気味に笑った。