覚悟の話・２３ ページ43
赤side
橙「苦しかったな、しげ。汗もすごいかいたな。一応軽く拭いてんけど…流星、まだ綺麗なタオルある？」
青「あるでー。今、蒸しタオルも貰ってきた」
橙「おっけ、ナイスやわ」
緑「疲れたやろ？ちょっと横になるか？」
紫「体冷えてまうかもしらんから、これ、肩から掛けとき？」
大丈夫や言うてんけどな…
照史にガシガシと汗を拭かれ、神ちゃんには半分に畳まれた座布団に乗せて寝るように促され、�陲舛磴鵑�どこからか持ってきたタオルケットを掛けられる。
不意に肩を撫でられ、目だけでその手の先を探すと淳太が心配そうに俺の顔を見ていた。
なんか俺、ちっさい子になったみたいやんけ…
心配される事が嬉しいとか、そんな事は思っとらんけど、でもメンバーの優しさと団結力に改めて触れて不謹慎にも笑いが込み上げてくる。
赤「ふふっ、」
桃「どしたん？」
俺が突然笑い出したもんやから、望もみんなも不思議そうに俺の顔を覗いてくる。
赤「んーん、なんでもない。…淳太、ごめんな。びっくりしたやろ？」
黄「いや…、うん。びっくりはしたけど、それより心配した。しげ、ほんまにごめ…」
赤「淳太のせいとかちゃうからね」
謝ろうとする淳太にわざと言葉を被せ、その先に続こうとしたものを制した。
未だに俺の肩に触れている淳太の手を取り、その手を両手でぎゅっと握った。
赤「俺、嬉しかってん。」
黄「嬉しい？」
赤「うん。淳太さ、キモいとか思わんって、俺たちがこんな事ふざけて言ったりしないって、即答してくれたやん。あれ、嬉しかった。」
黄「そんなん…当たり前やろ。」
赤「淳太のそう言うところ、俺好きやわ。淳太がああ言ってくれたんが嬉しかってんけど、でもその前に力入り過ぎてたんやと思う。」
黄「うん…」
赤「…俺ね、小瀧の事が大好きやねん。」
淳太から手を離すと、頭横にある望の膝をとんと触れた。
赤「別に全部を受け入れて貰えたとか、さすがにそこまで思っとらんよ。そんな、簡単な話ちゃうもんな…。でも……」
ゆっくりと体を起こし、その場に正座して座り直す。
こんなお願い、横になったまま話すようなことちゃうから。
赤「…小瀧が居らなあかんねん。……俺が、生きていかれへん。」
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作者名：がうら仁歩 | 作成日時：2022年2月1日 16時
