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死ぬほど泣いたその夜は
気がつけば夢の中だった。
きっと何かしらの夢を見たはずなのに
全く思い出せないその代わりに
目覚めて蘇ってきたのは
昨日の夜の記憶。
鏡を見れば、泣き腫らした目。
一夜明けて思うのは
なんであんなに泣いたのか。
だって。
今日も今日とて私は目黒くんのことが好きで
初恋は残酷な程に続いているから。
『アルコールのせいかな』
独り言。
乾いた笑顔。
また、じんわりと込み上げていく涙。
自分の涙もコントールできないほどに
あのキスの意味が分からなくて脳がエラーを起こしてる。
お酒のせいだったのだろうか。
でもファーストキスをお酒のせいにしてほしくない。
事故だったのだろうか。
でも事故ならなんで2回した？
目黒くんの気まぐれ？
目黒くんは気まぐれでキスするような人じゃない。
理由を探ってグルグル答えを求めても
辿り着く場所は
"なんで目黒くんはキスをしたのか"
ずっと同じ。
目を閉じたら再生される。
目黒くんの顔が近づいてきて
視線が絡んだまま
唇に触れた感触。
『うわあ！』
その繰り返しで
しっかり寝不足。
そして月曜日。
しっかり寝不足なまま会社に向かう。
机の端に固められた壊れたボールペンが目に入って
この問題もあるんだったと、しっかり落ち込む。
しっかり落ち込んだまま仕事。
「春川！ほらチョコやる」
部長の謎の慰めでも
私の壊れた涙腺は反応して、部長を困らせる。
どんなに情緒不安定でもお昼を迎える頃には
しっかりお腹は空く。
お昼休憩の5分前
「春川〜」
ザワ、と色めいた歓声。
「飯行こ」
ニヤリと笑う悪魔。
2番目に会いたくなかった人。
「うわ！お前どうしたその顔」
『渡辺先輩。12時まであと5分です。
仕事してください。』
渡「ねえ。なにその顔。めっちゃブサイク」
暴言を吐きながら空いてた椅子を隣に持ってきて座る。
ザワザワとした空間に、突き刺さる鋭い視線。
『…あの』
渡「なに」
『…仕事は？』
渡「俺優秀だからもう終わった」
『…私終わってないです』
渡「だろうな。お前ポンコツだから」
ギロ、と渡辺先輩を睨む。
渡辺先輩は痛くも痒くもないみたいな顔で私を見る。
なにその顔。すっごくムカつく！
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まりりん(プロフ) - 読み返し読み返し…また戻ってきました！もぅ、策士な目黒くんの言葉にドキッ！きゅん♡の沼ですよ。渡辺先輩のアシストもさすがだし。逢沢さんの作り出す台詞が、それぞれにドンピシャすぎて脳内ドラマ再生しちゃってますもん！笑！続き楽しみにしています！ (2022年9月23日 3時) (
レス) @page49 id: 65e5944be6 (このIDを非表示/違反報告)
みずき(プロフ) - 気になりすぎます、、、。どうなるのか気になって毎日読んじゃってます！ (2022年9月21日 21時) (レス) @page49 id: 6f1d9dcbb1 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - すごーく楽しみに待ってます！待ちきれず何度も最初から読み返しています…。春川さんと目黒くんの今後を楽しみにしています！ (2022年9月21日 20時) (レス) @page49 id: 7edd60c260 (このIDを非表示/違反報告)
tsu(プロフ) - コメント失礼します。ほんと大好きな作品です。私の好みを全部知ってるんじゃないかと思うほどドンピシャすぎて１ヶ月に1回は読み直してます。お願いです。もっと主さんのこの作品を読ませてください！続き毎日楽しみに待ってます！ (2022年9月21日 19時) (レス) @page46 id: 5f3df0e30b (このIDを非表示/違反報告)
はるはる - 昨日読みはじめて、一気にここまで読んじゃいました。どきどき、にやにやが止まりません。お話の続き、楽しみにしています。 (2022年9月21日 18時) (レス) @page46 id: 7d12ceb543 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：逢沢
| 作成日時：2022年1月1日 17時
