◼️ ページ18
覚悟を決めて資料室を出る。
ついさっきまでスキップが出来そうなくらい
軽かった体は、
まるで鉄の塊を引きずってるかのように重い。
沈んだ気持ちのまま廊下を歩いていたら
怠そうに歩く渡辺先輩を見つけて
咄嗟に隠れる。
「渡辺くーん！この前美味しそうな串焼きのお店見つけたんだけど、今度一緒にどう？」
渡「おー、また今度時間があったらなー」
「また誘うね！」
もし私が何も考えず渡辺先輩に突進していたら
あの人は渡辺先輩に声をかけるチャンスを
失っていたかもしれない。
もしかしたら
私は誰かしらのそういうチャンスを潰していたのかもしれない。
こうやって恨みを買うのも当然だ。
いつもは目黒くんを見つけたくて
キョロキョロしながら歩いていたのに
今日は見つからないようにキョロキョロ警戒しながら歩く。
自分の席に着くまで長かった。
はぁー、と重いため息。
能天気に生きてきた私からして
誰かの視線を気にしながら生きるのはストレスでしかない。
お守りのように肌身離さず大切に持ち歩いていた
目黒くんからもらったボールペンを机に置く。
今の私にはこのペンを持ち歩く権利はない。
お昼時になって柊花からLINEが届く。
柊花食堂集合
前だったら柊花に泣きついていた。
でも柊花に迷惑をかけたくなくて
自分から遠ざかる。
その日から渡辺先輩とも目黒くんとも
柊花とも会わなくなって話さなくなった。
逃げ回って、隠れて、一人ぼっち。
朝は無駄に早く出社。
お昼は資料室に逃げ込んで1人で寂しく過ごす。
食欲も湧かなくて、ただボーッと過ごすだけ。
定時になったら即帰宅するか、すごく残るかのどちらか。
ただただストレスが溜まっていく。
私が辞めてしまえばこのストレスから逃れられるのかな？
目黒くんから本当に離れる勇気もないのに
退職届を書いては捨てて
その繰り返しの日々。
ただ、好きなだけなのに
ただ、追いかけていたいだけなのに
ただ苦しい。
ただ寂しい。
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まりりん(プロフ) - 読み返し読み返し…また戻ってきました！もぅ、策士な目黒くんの言葉にドキッ！きゅん♡の沼ですよ。渡辺先輩のアシストもさすがだし。逢沢さんの作り出す台詞が、それぞれにドンピシャすぎて脳内ドラマ再生しちゃってますもん！笑！続き楽しみにしています！ (2022年9月23日 3時) (
レス) @page49 id: 65e5944be6 (このIDを非表示/違反報告)
みずき(プロフ) - 気になりすぎます、、、。どうなるのか気になって毎日読んじゃってます！ (2022年9月21日 21時) (レス) @page49 id: 6f1d9dcbb1 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - すごーく楽しみに待ってます！待ちきれず何度も最初から読み返しています…。春川さんと目黒くんの今後を楽しみにしています！ (2022年9月21日 20時) (レス) @page49 id: 7edd60c260 (このIDを非表示/違反報告)
tsu(プロフ) - コメント失礼します。ほんと大好きな作品です。私の好みを全部知ってるんじゃないかと思うほどドンピシャすぎて１ヶ月に1回は読み直してます。お願いです。もっと主さんのこの作品を読ませてください！続き毎日楽しみに待ってます！ (2022年9月21日 19時) (レス) @page46 id: 5f3df0e30b (このIDを非表示/違反報告)
はるはる - 昨日読みはじめて、一気にここまで読んじゃいました。どきどき、にやにやが止まりません。お話の続き、楽しみにしています。 (2022年9月21日 18時) (レス) @page46 id: 7d12ceb543 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：逢沢
| 作成日時：2022年1月1日 17時
