＊向日葵 コネシマ ページ5
※青い鳥ネタ
「あ！やっと来た〜」
待ち合わせ場所で待っていると、遠くに幼馴染のシッマの姿が見えた。
「ほんまに今年も暑いなぁ…」
「もー！どんだけ待たせれば気が済むのよ…ちゃんと来たからいいけどさ」
「よっこらせっ…ふぅ。遅なってすまんな」
私はシッマの隣に座った。
「やっと休み取れてん…最近、仕事忙しくてな。お前はどうや？」
「ぼちぼちかな。ちゃんと元気にしてたよ！」
「俺はまぁまぁやな。仕事もやっと慣れて来たし…でももうちょい頑張らなあかんな」
うわっ！シッマ、急に伸びないでよ…腕が当たりそうになったじゃない。まぁいいけど。
「無理はしちゃダメだよ？」
「もちろん、ちゃんと適度に休みはもらうけどな。…あ、せや」
シッマは持っていたカバンから何かを取り出した。
私の好きな
「覚えててくれたんだ…！ありがとう！」
「俺が一本一本選んで買ったんやで！感謝せぇよ？ハハハッ」
「ありがとうございます！コネシマ様！ふふふっ」
立ち上がってビシッと敬礼をしてみた。昔に戻ったみたい。
「しっかしここも変わらんなぁ。
せや、俺らがちっさいとき、ここでかくれんぼとか鬼ごっことかして寺のジジイに怒られたよな！」
「アハハッ、そんなこともあったね」
「隠れやすいし、広いし、涼しいから俺は絶好のスポットやと思うててん」
「私も！確かに不謹慎ではあったかもね」
「昔話すると、ほんま会いたなるわ…」
笑ってこそいるものの、眉尻を下げてどこか悲しそうにシッマは笑った。
「…そうだね」
「ちょっとでも話せたらええのに」
「うん」
「今言っても意味ないんやけど、俺、ずっとAが好きやった」
「…実は私も。ずっとシッマのこと好きだったよ」
「もうちょい早よ言えばよかったわ」
「今でもいいじゃない！…よくないか」
そしてシッマは立ち上がり、頰をパチっと叩き、私の頭を撫でた。
「また来年な。次はもっと大きい向日葵持って来たるわ！」
「ふふっ期待してまーす」
「じゃあな！」
「うん、またね！」
私はシッマの背中が見えなくなるまでずっとその方向を見つめた。
私が眠るこのお墓には、シッマのように元気な向日葵が供えられていた。
ーーー
解説。
墓参りに来たシッマと、亡くなってしまったAさんの話です。
なるべく会話が噛み合うようにしましたが、微妙にズレているとこもあります。
亡くなっている人の声は聞こえないからです。
元ネタも是非調べて見てくださいね。
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作者名：ウィング＆テンライ | 作成日時：2018年9月23日 13時
