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06:見ないで ページ7

「あ…歩けないだと…!?」



突然告げられたそれは逃げている私にとってかなりショックなことだった。


これから先どうやって逃げろと?


ポタポタと毛先から、全身から赤黒い体液が滴り、カイトの服を染め上げる。

私に触れてる部分がみるみると血に汚れていった。







「……大丈夫だ…離していい。カイトが汚れてしまうぞ…」



胸に手を当てなんとか離れようとしたが、出来なかった。

この小さな体も不便すぎる…。


本来の姿なら…出来たのに…。







「取り合えず血を洗い流すからな」



「……不覚…」



小さく呟くと、ゴシゴシと顔の血を拭われる。

見上げると、カイトが袖で血を拭きあげていた。


また…汚した。











罪悪感が残るなか、私は先ほどの部屋に運ばれると、部屋のなかにある別の扉の部屋に入った。

箱形のそれに放り込まれると、私のマント(布切れ)を掴まれる。


これだけは手放したくなかった…見せたくないから。




「離せカイト」



「洗わないといけないだろ?」



「このままでいい」



「風邪引くぞ」



「引かせる風邪が悪い」



キリッとキメ顔を決めるが、それでもカイトの手が離されることはなかった。


暫くはそんな冷戦状態が続くと、先に折れたのはカイトの方だ。

ため息をつくと自分が着ていた上着を脱ぎ中に浮いている桶の中へと放り込む。







「…ほら、洗ってやるから」



「……嫌だ…」



ズシリとのし掛かる腕の重さを隠しながら、マントを強く握りしめる。

見られたくない…見せたくない。


こんな姿を見せるわけにはいかないのだ…。







「………」



キュッ…となにかを握り回したカイトの姿を眺めたと同時に上から水が降ってきた。

思わず短く悲鳴をあげるとマントを剥ぎ取られた。







「やっと取れッ……た?」



「………」



「………」







ザァッと水の音だけが鳴り響く。

マントを取り返そうと"なにも"身に付けてない私の腕には重くのし掛かる枷がつけられていた。







「……A、お前…」



カイトの表情は帽子でよく見えなかったが震えているのはわかった。

こんな姿をさらしてしまいとっさに腕を隠す。



「…か…かえせっ!!腕…を見…るなぁ…っ!!」



「そっちか!?」



「頼むから…みないで…くれ…」



血も流れきり、ただの水と共にポタポタと溢れる涙を止める術はなくて、箱の中で踞る。

と…水が止まり、何かがかけられた。


フワフワしたものに身を包まれる。







「……悪かった」







その声の主を見ると…カイトの若干顔が赤かった。




07:言いたくないか? カイトside→←05:相殺 カイトside


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マッキー - 一番最初のコメあただき!!さいしんがんばってください♪ (2014年3月3日 22時) (レス) id: 815d3dc5b0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月影腹痛 | 作成日時:2013年12月18日 21時

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