【HUNTER×HUNTER】トウソウ×カイシ【カイト】 (ページ6)

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05:相殺カイトside ページ6

｢………｣

あまりに穏やかな波だったため気がつけば寝ていたらしい｡

Aの方を見るとスヤスヤと寝息を立てて眠っている｡

よっぽど疲れていたのか…無理もない｡

体を伸ばし､辺りを見回りにいこうとした｡

…と同時｡

爆音と共に旅船が揺れた｡

何が起きたのか理解するために､甲板に向かって走る｡

･

そこには…巨大なクラーケンがその長い足を使って船を襲撃している光景だった｡

このにコイツがこの海峡にいるはずはない…なら何故?

試行錯誤をしながらたどり着いた結論は､先日の嵐で潮の流れが変わったことだった｡

おおよそ､潮の流れが変わったことで本来あるべき住み処から遠くに流れてやって来たと言うところか…｡

厄介だな｡

この辺の海はコイツにとっての餌が大量にあった故に…ここまで巨大化したと言うわけか｡

･

･

｢───…チッ…!!｣

アイツを呼び出そうとした瞬間､黄色の閃光がクラーケンに向かって駆けていった｡

金色の髪と若草の瞳｡

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･

｢Aッ…!?｣

船に降り下ろされた巨大な足をその小さな体に打ち込まれた…が､相殺する｡

何もはいていない足で…だ｡

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｢………ッ!!｣

グルンと横に回転するとその足を鞭みたくに思いっきり弾き返す｡

揺らいだのはクラーケンの方だ｡

フワリと音をたてずに後退をし着地するAは､片膝を甲板につけ折り曲げるともう片方を立てて手を床に沿えた｡

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｢…コイツ…倒すッ!!｣

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ダンッ…と船を蹴りあげると大きく揺らすが､その反動で遥か高くにその小さな体は跳んでいた｡

軽業師すらを越える張飛力､マントを翻し自然の法則にしたがって落下する｡

グルングルンと三回転を決めるとクラーケンの頭に何もはいていない素足を食い込ませると刃で縦に裂けるように真っ二つになった｡

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クラーケンは…二度と動くことはない｡

誰もがそれを理解できていた､だからこそ目の前の光景に唖然としていた｡

10歳にも満たない小さな子供が､その体で巨大化したクラーケンを倒したのだから｡

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｢…血腥い…｣

頭から足まで赤黒い血に染まりきっていたAはペタペタと…血で足跡を残しながら俺のもとにやって来る｡

見上げるように俺を見るとペタリとその場に座り込んだ｡

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｢……立てなくなった…なぜだ?｣

ピクピクと痙攣している足を眺めな戸惑いを隠せずにいるA｡

しゃがむとその体を抱き上げた｡

｢足に負担をかけすぎたんだな｡しばらくは歩けないぞ｣

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