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02:安堵 ページ3

「…ッッ…!!」



やつらに追われてはや2日。

寝る暇どころか安堵する時間さえ与えてくれない。


走り続けて疲労が溜まりはじめて来て限界も近かった。




「…あっ…しまっ…!!」



相手も迷い込ませるように走ってきたが、目の前には壁が立ちはだかっている。

足も傷だらけで上に跳べない…見つかるのも時間の問題だ。


万事休すとはいうが…こうもアッサリなるとは思ってもなかった。




「…っ…」



「おいお前、捕まれッ!!」



「……!?」



真上を見上げると誰かが壁の上から腕を指し伸ばしていた。

逆光になってわからないがそれが男性で…でもアイツらではないことは直ぐにわかる。


戸惑いがらも手を指し伸ばすと、体を一気に引き上げられると、バランスを崩しそのまま倒れ込んだ。







「あがぁ…」



ジワリと頭が痛むと真っ赤な液体が頬を伝う。

視界が1つ…見えなくなった。



「大丈夫か?」



「…逃げないと…」



立ち上がり、走ろうとしたらその人に腕を捕まれた。

力を込めても…動けない。



「離せッ!!お前もアイツらの仲間なのか!?」



「そんな怪我で逃げれるわけないだろうがッ!!」



「うっ…ぐぅ…」




悔しくて歯を食い縛るとその人は背中に私を乗せると全速力で駆けていく。

流れていく町の景色を目に焼き付けながら。







「……なんでだ…」




恐る恐るに口を開くと視界が滲み、涙が出てきた。


なんで私を助けてくれたのか?

なんでこんなに暖かいのか?

いろんな疑問が浮き沈みをして、滲んだ視界を拭うと前から返事が聞こえた。







「……なんでだろうな。放ってはおけなかったんだよ…お前を」



顔は見えない。

だからどんな顔で答えているのかさえわからないけどそれでよかった。


下手な言い訳や嘘の答えを答えられるよりも今のような感じがいい。







「……あの…さ…」



「今は黙っていた方がいいぞ。クモがいるからな」



「…クモ…?」



「お前を追っていたやつらだ」



「……ッッ!?」



思わず口を塞ぐと、辺りを見渡し様子をうかがう。

どうやらあとをつけて様子がないが…。







「…このまま船を使って町を出る。それまで寝てていいぞ」



なんて暢気な…そう思いながらも体は正直で直ぐに睡魔に襲われる。



最後に見えた景色は背負って走っている人の長い白髪と帽子…そして視線が高い世界だった。

耐えきれずに…彼に体を預けると瞼をそっと下ろし意識を手放す。







やけに暖かい感覚が久しぶり訪れた安堵となった。





03:名前 カイトside→←01:放っては… カイトside


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マッキー - 一番最初のコメあただき!!さいしんがんばってください♪ (2014年3月3日 22時) (レス) id: 815d3dc5b0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月影腹痛 | 作成日時:2013年12月18日 21時

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