11:行くか? カイトside ページ12
「…私が…自由…?」
唖然と口を開いたまま収まらないAは暫く動きはしなかった。
体を離しても、ただジッと俺を見つめるだけ。
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「……考えたこともなかった…」
ポツリと呟くと少し考えてる風だ。
その頭に手をのせ、撫でるとサラサラした金髪。
・
「時間はまだある。別に強制してる訳じゃないからな。危険なこともあるし…嫌なら知り合いのところに預けるが…」
「……まだ…考える時間がほしい…」
「わかった。船がつくまであと今日をいれてあと3日…それまでに答えを出せばいい」
「…ありがとう」
すまなそうに頭を下げるその姿は。
見た目より年上に見えるその対応が子供らしさを削ぎ落としていった。
・
「………」
ベットに腰かけさせると、少ししかめたまま小さく踞る姿はまるでてるてる坊主みたいだ。
思わず笑うとキッと睨まれる。
・
「なんだ?」
「いや、てるてる坊主に似てるなって思っただけだ」
「仕方ないだろう。この手枷のせいで服をまともに着ることは出来ないし腕の範囲も限られてるからな」
「そうか…服の問題があったな」
・
よくよく考えればAは今までのあのマント一丁で下着すら着てなかったし…。
まあどうにかなるだろう下着は。
問題は服の方だが…。
・
「音を立てずに走ることは出来るし、隠せないものでもないから構わないが」
「取り合えず、ついて行くにしろ預けるにしろ新しい服を買わないとな」
「……買う…か…。ギリギリだな…」
「どうにかしたか?」
「いや、こっちの話だ」
首を横に振り、何でもない意思を伝える。
少し黙り込むとなにか思い付いたのかその口を開いた。
・
「…しかし自由と言われたわりには足が動かなくて不自由をしているのだが…」
「ならだっこかおんぶで散歩してみるか?」
「散歩はしたいがだっこは私の威厳が無くなる」
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キリッとキメ顔を決めると、腕を組み堂々としてるAだが…。
すまない…果てしなくバカだぞ…今の姿(威厳なんかあったのか?)。
・
「ならおんぶで行くか?」
「おぅ!!」
よっぽど嬉しかったのかニパッと笑うと背中に器用に乗っかる。
大人しく帽子(と地味に髪の毛)をつかんでいた(地味に痛いが)。
その体は子供にしては少しばかり軽い。
身長も140cmもないぐらいろう。
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落ちないようにしっかり背負うとようにすると客室の扉を開けるとそのまま散歩に出掛けた。
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ラッキーアイテム
革ベルト
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マッキー - 一番最初のコメあただき!!さいしんがんばってください♪ (2014年3月3日 22時) (レス) id: 815d3dc5b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月影腹痛 | 作成日時:2013年12月18日 21時