【HUNTER×HUNTER】トウソウ×カイシ【カイト】 (ページ1)

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00:クモの刺青ページ1

───…ただそれを見ていた｡

僅に光が入る窓から見えた村が焼かれる様子…12本のクモの足の刺青｡

･

｢……｣

直ぐにわかった､逃げないといけないことを｡

窓から手を離して小さな足を地面につけるとベットの下に潜り込んだ｡

小さな隙間の穴を潜り､その穴を塞ぐ｡

瞬間に聞こえてきたのは声だった｡

｢ここに居るはずだ｡探せっ!!｣

それらから逃れるように這いずると､黒と赤に染まった夜空が目に写った｡

焼けて…消えていく…｡

｢………｣

営みや歴史なんか儚いものだった｡

だからといって悲しいという気持ちも起きはしない｡

元々この村にはロクなことはなかった｡

昔からの習慣が強かった村だから…自分のような奇形児をバチものとして扱っていたし｡

出来るだけ人の目に降れさせないように扱われて…｡

でも…こうも簡単に壊れてしまうとは…｡

｢………｣

悲しい気持ちはないが喪失感だけはしっかりあった｡

舞い上がる火の粉に目がやられたのか､煙で目がやられたのかわからないが…自分の目からは涙が溢れる｡

止める術なんかなくて､重たい腕を持ち上げて涙を拭く｡

袖がない古びたマントのような布切れが､薄汚れた金色の髪が…熱風によって舞っていた｡

火の粉が小さな体にふりかかり､さらに火の手を伸ばしていく｡

先程いた場所も…業火の中へと消えていった｡

･

｢……見つけた｣

｢……ッ!?｣

振り向くと誰かがそこに立っている…影を作るようにして｡

顔は見えなかったが黒いマントの…声からして男の人だった｡

｢……ッ…｣

とっさに後ろへ向かって逃げると､自分を囲むように13人の人が…立ち尽くしていた｡

逃げ道はない…｡

｢逃げても無駄よ…私たちと来なさい｣

｢…──────…｣

息を吸い込むと焼けたニオイが鼻を突く｡

消えてしまうニオイが…いやというほど｡

｢…ささとするね｡私たちだて気が長い方じゃないね｣

｢落ち着けよ､ガキにそんなことわかるわけ…────｣

･

トンッ…─────｡

･

地面をを"軽く"蹴りあげるとフワリ…そんな効果音と共に体が宙を舞い､彼らの柵から外に出た｡

着地するときに髪の毛が乱れる｡

頭を振るって彼らを睨むとその口をやっと開いた｡

･

｢…否定するぞ｣

その言葉を述べ､森の中へと翻す｡

後ろから追いかけてくる声や足音が聞こえた｡

･

｢…絶対嫌だ｡逃げ続けてやる｣

･

冷たい地面を蹴りあげると絶壁の崖をそのまま飛び降りた｡

･