モブに転生したけどヒロインのリア充っぷりがうぜぇ【呪術廻戦】

夢主あるある（風邪で倒れる） ページ6

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　漣の馬鹿野郎はつくづく俺の手を煩わせる。

　任務の日、待ち合わせの時間にいくら経っても現れない漣に痺れを切らした俺は仕方なくヤツが寝泊まりする寮に夜蛾から借りた合鍵で突撃訪問。寝坊とかだったら鈍器で軽くボコッといったろかと物騒なことを考えながら入った初の妹以外の女子の部屋。

　だが、部屋のベッドにヤツの姿はなく、代わりに床でゴロリと横たわりながら顔を赤くさせている漣の姿。
　うわっ、めんどくせ。

　これってあれじゃん。夢小説でいう夢主が体調不良等で弱った時に都合よく現れたキャラが夢主を姫抱きでベッドまで運んで看病するっていうあれじゃん。
　そんで「無理し過ぎ、心配させんな」って感じで夢主がどれだけ愛されているかを伝える方法として使われがちのストーリー構成。

　因みに、俺みたいなキャラ以外の部外者、モブという名の引き立て役がその場に居合わせた場合高確率でダシにされることが多い。そして「夢主に触れるな」という理不尽な理由からフルボッコにされる例も少なくはない。
　妹が俺に見せてきた夢小説は大抵こんな意味不明な作品が多かったから警戒しちまうぜ。

　さあ、どうする。

　この様子を誰かに見られれば確実にセコム共に勘違いされるのは目に見えている。最悪クビになるやもしれん。

　そんなの嫌だ！ 絶対嫌だ！ まだここより高収入のバイト先見つけられてねーのに！！

　しかし、心の中で葛藤がしばらく続いた後、見なかったことにするのも逆に立場が悪くなるという結論に辿り着いた俺は、このメロンを二つぶら下げた人間版フルーツ野郎をとりあえず助けてやることにした。

　メロン女をベッドまで運んだり、同僚に今回の任務の引継ぎ役を用意するよう頼んだり、寝かせた漣の額に冷えピタ貼ったり。兎に角やることは山積み。
　正直言ってこいつのためにここまで働くのは本当に気に食わん。今すぐにでもぶっとい注射器ぶっ刺してやりたい気分。

　まあ、流石に病人相手にそんなことをするほど頭は腐っちゃいないから冷蔵庫に入っていた梅干しを一つ摘まんだだけで今回のタダ働きの件はチャラにしてやることにした。

　つまりはお前の価値は梅干し以下ってことだよバーカ！！

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