モブに転生したけどヒロインのリア充っぷりがうぜぇ【呪術廻戦】

夢主あるある（あう……） ページ4

おいおい、昨日あんだけ寝てたのによくこうも深い眠りにつけるもんだな。てか、寝てる場所ウケるんだが。夏油の肩で寝るて。
　いくら同級生でも異性だろ？ 警戒心０のクオッカかよ。つくづく面倒くせぇ女だな。

　この女を寝かせたまま放っておくわけにもいかないし、必然的に座禅状態を解かなければならない。そして俺は「きゃっ、ごめんなさい傑……」、「可愛らしい寝顔だったね、静螺」という初心者が手掛けたかのような痛いラブシーンを目の当たりにしなければならなくなる。ラブシーンとまではいかないかもしれないが、少なくとも望んでもいない漣の赤面が見られることは確実だろう。はあ。

「夏油さん、漣さんを起こしてくれませんか。もう少しで目的地に到着するので」

　すると夏油は「はい」と短い返事をして肩に乗っかる漣を起こそうと身体をユサユサ揺さぶった。そして「漣さん、そろそろ目的地だって」と声をかける。

　へえ、名字でさん付けしてるのか。てっきり下の名前で呼び合ってるのかと思っていた。
　そういえば、漣は二年生になって編入してきたんだっけな。そりゃあ数ヶ月の付き合いだしそれなりの距離はあるか。漣があまりにも夏油と親しげだったからすっかり忘れていた。

　と、呑気に思っていればようやく漣はゆっくりと目を開けた。最初は何も無いところを静かに遠くを見つめているような様子だったが、ふと己がお隣さんの肩を借りてグースカ寝ていたことに気付いたようで、身体をビクリと揺らして夏油と距離をとった。
　予想通り、顔はリンゴのように真っ赤だ。例えられたリンゴがかわいそうだぜ、けっ。

「あっ、あう……ごめんなさい、ついつい」

　何が「あう……」だ。可愛い子ぶるのはそれ以上よせ。それとも無自覚か？ 後者なのであれば腹立つに越したことはないな。

　しかし、そんな言葉を口にするはずもなく「仲が良いんですね」としか言えない。あー、早くお家に帰りたいよー。

夢主あるある（なんかで怪我して心配されがち）→←夢主あるある（もう、あざといっ！！）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す