夏油傑の盛大な勘違い１ ページ12
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彼はどんな時でもニコニコ笑って本心を悟らせない、少々謎めいた存在だ。
漣静螺と夏油傑の担当をしている補助監督であり、必然的に顔を合わせる機会が多かった。
それ故に夏油が抱いた疑問。
あの男の真意。
夏油にとって男は五条と並ぶ程の異質な存在だった。
ポーカーフェイス、何を考えているのかさっぱりわからない、常に漂わせている大人の余裕。その三要素が酷く彼を苛つかせた。
正直に言って、気味が悪かったのだ。
夏油はどちらかといえば人の心を見透かして遠まわしに煽ったり茶化したりするタイプの人間。そのせいで親友の五条と大喧嘩を勃発させるぐらいだ。
そっち側の事に関しては夏油の得意分野と言っても過言ではなかった。
だがしかし、男は違った。
何もわからない。何も読み取れない。何の動揺も見せたことがない。
本当に嬉しそうな顔も、楽しそうな顔も、悲しそうな顔も、辛そうな顔も、痛そうな顔も、疲れた顔も、怒った顔も。兎に角喜怒哀楽がよくわからないといった感じだった。
全てあのニコニコ笑顔でかき消される。
しかし、彼はいつも何かを見据えたような顔をする。何も言わずにただじっと、どこか一点を見つめて眉を少しだけ動かす。
それが怒ったという合図なのか、悲しんだという合図なのか、それとも喜んだという合図なのか。未だはっきりしていない。それがまた気に食わなかった。
見据えることができないというのは別にかまわなかった。ただ、見据えられているというのは話しが変わってくる。
そこそこ高いプライドを持つ夏油にとってそれは屈辱といってもいい。
夏油は全てを見透かしていたい、己のプライドがそれを強要してくるから。
だというのに、男は全てを見透かしてくるうえ、何も悟らせない。彼の真意を知る人間は誰一人としていない。
それは何故？
真意を表情に、言葉に、動作に出そうとしないからだ。だから何もわからない、謎めいている。
気に食わない。
それが夏油にとって酷く気に食わなかった。
以前、編入してきた漣が熱で倒れた時もそうだ。
漣によれば、自身が倒れている所を見つけてくれた彼がわざわざ有休をとって保健室まで漣を運び、薬を飲ませてくれたのだとか。しかし、ここからよくわからない。
彼女を運び終えた後、何故か彼はその場から離れて戻ってくることはなかったという。再び保健室に現れたのは別の補助監督だった。
夏油傑の盛大な勘違い２→←夢主あるある（夢主がひっかけてくる男、ちょっと怖い時がある）
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ガシヤマ(プロフ) - 蘆花さん» コメントありがとうございます！ 蘆花さんの作品は楽しく読ませていただいています……！ 夢主君を気に入っていただけて嬉しいです。 (3月31日 18時) (
レス) @page7 id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - やだすきなにこの夢主くん。あるあるが全て詰め込まれてて最高です！ (3月31日 18時) (レス) @page11 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ(プロフ) - サンドレラ2世さん» コメントありがとうございます！ 文句言いながらもやる時はやってくれる夢主君ってかっこいいですよね、私も大好きです。 (3月11日 21時) (レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
サンドレラ2世 - 夢主かっけぇぇ！ (3月11日 21時) (レス) id: 0ee11eb3e3 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ(プロフ) - 星雀さん» コメントありがとうございます！ うまく完結できるようストーリー構成はこだわったので嬉しいです。 (2月8日 21時) (レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ガシヤマ x他1人 | 作成日時：2024年1月7日 17時
