モブに転生したけどヒロインのリア充っぷりがうぜぇ【呪術廻戦】

夢主あるある（肝心な時に本領発揮できない） ページ2

いや、こんな夢小説でありそうな頭悪い設定のやつ、あの超人気漫画のヒロインとして出てくるわけねーだろ。

　という感じでおそらくこいつは原作では登場しないイレギュラー、つまり夢小説の夢主であると出会って早々判断することができた。

　前世にて、俗に言うオタクの妹を持っていた俺はよく夢小説という謎のサイトを強制的に読ませられていた覚えがある。

　情景を表す文章は殆ど書かれておらず、キャラがセリフを言う時は何故か台本式。絵文字等の使用は勿論、『ニヤッ』などといった言葉をセリフの中に入れるという謎のスタイル。極めつけは謎のチート設定。

　原作では最強と呼ばれているはずのキャラよりも何倍も強く、その世界で使える能力を全て使えるという面白味の欠片もない設定。かと思えば、何者かに押し倒されたりする際は素直に押し倒されて「力勝負は武が悪いわ……」と持っている能力を一切使おうとせずに好き勝手されそうになる。結局はキャラに助けられて涙を流すという「はい？ ふざけてますの？？」という展開。

　そんな矛盾だらけの小説を妹に読ませられそうになる度になるべく狸寝入りをこいていたが、まさか俺が噂の夢主本人を担当することになるだなんて。チクショウ！

　ああ、呪術とかいう現代科学を全否定したかのようなファンタジー世界に生まれ変わったかと思えば、更にあの夢小説の夢主を担当する羽目になるという追い打ち。俺はなんて不幸な人間なのでしょうか、神様。

　漣よ、お前自身には何の罪も無いんだけどそのままずっと寝ててください。どうか俺に話しかけないでください。

　ただでさえ俺みたいな裏方の目立たない人間、所謂モブ気質のやつはお前みたいなキラキラ主人公と関わるにあたって主要キャラからの理不尽なとばっちり展開が多い。どうか俺が新しいバイト先を見つけるまで面倒な事には巻き込まないでほしい。二度目のキャンパスライフを楽しく謳歌したいんだ。

　こんなこと言っちゃなんだけどよ、俺はお前が死んだら酒盛りする。マジの話、百年物のヴィンテージワインも買っちゃうかも。

夢主あるある（もう、あざといっ！！）→←夢主あるある（最強設定・名前が激ムズ）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す