6 ページ6
今日は五条呪術師たちの担任を務めている夜蛾呪術師から呼び出しを受けた。休日ではあるもののスーツも着て学校に足を踏み入れる。
夜蛾呪術師といえば強面で厳しいと有名だ。そんな人から呼び出しとなると正直冷や汗が止まらない。もしも今日限りでクビだとか言われたら……なんて、そんなことないか――
「君は今日限りでクビだ」
え。
クビ、え? 私の聞き間違いだろうか。
「すみません、もう一度」
「今日限りでクビだ」
何度聞いても返事は同じ。眩暈がする。
それに追い打ちをかけるかのごとく夜蛾呪術師が解雇通知書を見せてくるので思わず倒れるところだった。
まだ数日しか経っていないのにクビ? クビ?
夜蛾呪術師に言われた言葉の意味をようやく理解した後に、すぐさま自分の記憶を漁る。自分が何をやらかしたかを十秒程で振り返るが、クビにされるほどの失態なんて一つも思い当たらない。あるとしても五条呪術師に対する不敬ぐらいしか……まさか、前回のカエルの一件だろうか。あの一件をそれほど根に持って……!
「……なんとなく想像はついていますが、理由を伺っても」
「想像がついているのだったら説明は不要だろう」
「納得いきません、このままタダ働きのままクビだなんて……このままじゃ夏休み期間中に大金稼いで家政婦雇おう計画が台無しです」
「なんだその名前からして怠慢な計画は」
私は夜蛾呪術師に詰め寄って「五条呪術師と話をさせてください、絶対なんとしてでも必ず説得してみせますから」と必死に頭を下げる。その勢いに押されてでもいるのか夜蛾呪術師は少々困惑気味だ。
よし、これならワンチャン許されるかもしれない……!
希望の光が見え始めた。
だが、その直後、部屋の扉の先で誰かが噴き出す声が聞こえた。そこから耐えきれんと言わんばかりに大きな笑い声が部屋に響き始める。
まさか、と思い扉の方に目を向ける。そこには腹を抱えて大笑いする五条呪術師と、口を覆いながら身体を震わせている夏油呪術師、そしてニマニマとした笑みを浮かべている家入呪術師。これでなんとなく察した。
あ、はめられたんだな、と。
170人がお気に入り
「呪術廻戦」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ガシヤマ(プロフ) - れーとさん» イベントに参加させていただきありがとうございます! 自慢の作品なので神作と言ってもらえてとても嬉しいです。気が向いたら他の作品も読んでみてくださいね。 (1月31日 18時) (レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
れーと - 初コメ失礼します。どうしてこんな神作がいかにもふざけている名前のイベントに参加してくれたのか分からなかったです。イベント参加ありがとうございますorz。(絵がおじょうずなっこって) (1月31日 17時) (レス) @page34 id: 52d6184189 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ - 白うささん» お読みいただきありがとうございます! またまだ未熟なところもありますが、私の作品をもっと色んな知ってもらえるようにがんばっていきたいと思います! (1月5日 20時) (レス) id: 5392177912 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - あ、あれ?最後まで読んだら目から鼻水が((初コメ失礼します!!最高な作品でした!!ありがとうございます!!(?) (1月5日 20時) (レス) @page19 id: a68f5e51e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ガシヤマ | 作成日時:2024年1月1日 19時