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「いらないんだったら返してください」
「嫌だし」
「なら帰っていいですか」
「ダメ。あーんして食べさせてもらうまで帰さない」
「帰ります」
「帰さない」
そう言って私の腕を掴み、ニコニコ笑顔でチョコを持たせてくる。いつの間に取り出したのだろうか。
五条呪術師は期待に満ち溢れた顔を近づけてくる。
「私のような地味でダサい女からこんなことしてもらうよりも、君にご熱心な女の子たちにやってもらった方が良いと思います。彼女たちなら喜んでうけおってくれることでしょう」
「僕はアンタにやってもらいたいの」
何がなんでも私にやらせたいらしい。物好きなものだ。
一体全体私のどこに魅力を感じるというのだろうか。やっぱり五条呪術師のことはよくわからない。
「……どうぞ」
「『あーん』って言って?」
「どうぞ」
「ホント、かわいくない」
そんなことを言いながらもちゃんと差し出したチョコは食べてくれた。
しかし彼は私の指から口を離すことはなく、そのままガリッと歯を突き立てる。
「早く離してください」
「残さず食べたいの」
「私はチョコじゃないです」
「チョコみたいなもんだよ、僕からしたら」
「甘くて愛おしい、僕のチョコレート」と目隠しを外す。とろりとした青い瞳の先には私がいる。
黒歴史になるとは考えないのだろうか。学生時代と比べてキザっぽくなった気がする。あの頃の彼に見せてあげたいものだ。
とりあえず、来年のバレンタインは仕事をたくさん詰めておこう。
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バレンタインが近かったので書いてみました。今までの番外編と比べて比較的糖分多めです。
終わり←▼
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ガシヤマ(プロフ) - れーとさん» イベントに参加させていただきありがとうございます! 自慢の作品なので神作と言ってもらえてとても嬉しいです。気が向いたら他の作品も読んでみてくださいね。 (1月31日 18時) (レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
れーと - 初コメ失礼します。どうしてこんな神作がいかにもふざけている名前のイベントに参加してくれたのか分からなかったです。イベント参加ありがとうございますorz。(絵がおじょうずなっこって) (1月31日 17時) (レス) @page34 id: 52d6184189 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ - 白うささん» お読みいただきありがとうございます! またまだ未熟なところもありますが、私の作品をもっと色んな知ってもらえるようにがんばっていきたいと思います! (1月5日 20時) (レス) id: 5392177912 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - あ、あれ?最後まで読んだら目から鼻水が((初コメ失礼します!!最高な作品でした!!ありがとうございます!!(?) (1月5日 20時) (レス) @page19 id: a68f5e51e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ガシヤマ | 作成日時:2024年1月1日 19時