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「少しお時間よろしいですか」


 高専の廊下を歩いていた夏油呪術師を呼び止めれば、彼は一瞬だけ顔を顰めつつもにっこり笑顔で「どうしました」と応えてくれた。

 当時離反中だった彼にしつこいぐらいに付き纏って説得し続けたこともあり、説得が成功した後も未だ嫌われてしまっている。
 特に入浴中を襲った時のことはかなり根に持っているらしく、事あるごとにネチネチ言われる。
 あの時は熱湯をかけられながら風呂場に沈められた末溺死させられたから苦しい思いをした。

 まあ、それはいいとしてさっさと本題に入ろう。



「夏油呪術師秘蔵の自家発電用ビデオを見せていただけませんか」



 ドンガラガッシャン、という効果音がついてもいいぐらい盛大に転倒する夏油呪術師。驚きのあまりか「は? え、いや、はあ?」と言葉を失っている。大丈夫だろうか。

 「もう一度言った方がいいですか?」と顔を覗き込めば結構強めのチョップを受けた。酷い。



「え、君自分で何言ってるかわかってる?」


「わかっています、私は夏油呪術師秘蔵の自家発電用ビデオが———」


「言うな言うな言うな」


 すごい眼力で睨まれた。そして「まずは経緯を説明しろ!」と力強いながらも小さな声でそう言われた。
 別に周囲を気にしなくとも誰もいないというのに。
 そんなことを思いながらも事の経緯を説明させていただいた。


「夜の相手として五条呪術師を満足させなければならなくなったので、まずは夏油呪術師の好みを参考にさせていただこうかと」


「……ああ、結婚したんだっけ君たち。私をダシにして」


「ダシにしたつもりはないですが結婚はしましたよ、半ば強引に。
 ただ、行為中の私の反応に色気が感じられないらしく」


「無理やり結婚させられたんだろ? 満足されなかったとて、それで嫌われたとて、君からしたら別に何の問題もないだろ」


「そこは確かに問題ないです。問題なのは私がそういった色気や可愛げのある反応を見せるまで毎晩やると言いだしたことであってですね」


「ああ……」


 夏油呪術師が先ほどとは一転して同情的な目で私を見てくる。そして「そのやけに濃くなった隈の意味がわかったよ」と呟いた。
 そうなんです、最近ずっと寝不足で仕事にも支障が出てきて困っているんですよ。

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ガシヤマ(プロフ) - れーとさん» イベントに参加させていただきありがとうございます! 自慢の作品なので神作と言ってもらえてとても嬉しいです。気が向いたら他の作品も読んでみてくださいね。 (1月31日 18時) (レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
れーと - 初コメ失礼します。どうしてこんな神作がいかにもふざけている名前のイベントに参加してくれたのか分からなかったです。イベント参加ありがとうございますorz。(絵がおじょうずなっこって) (1月31日 17時) (レス) @page34 id: 52d6184189 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ - 白うささん» お読みいただきありがとうございます! またまだ未熟なところもありますが、私の作品をもっと色んな知ってもらえるようにがんばっていきたいと思います! (1月5日 20時) (レス) id: 5392177912 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - あ、あれ?最後まで読んだら目から鼻水が((初コメ失礼します!!最高な作品でした!!ありがとうございます!!(?) (1月5日 20時) (レス) @page19 id: a68f5e51e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ガシヤマ | 作成日時:2024年1月1日 19時

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