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「あ、お久しぶりです五条呪術師」

 用意されていたせんべいを口にしつつ、部屋に入ってきた五条呪術師に対して軽く挨拶を一つ。
 息を切らしているようだ。走ってきたのだろうか? 私なんぞのためにありがたいことだ。

「二年だぞ、二年!」

 五条呪術師はズカズカと私に近づき、両肩を掴む。サングラスの下から覗く青い瞳はこれでもかという程に開いていた。

「今まで何をしていた! 何処で何をしていた!」

 相変わらず、綺麗な瞳をしているなあ。

「聞いてんのか!」

「落ち着いてください、そんなに叫ばずともちゃんと話します」

 机に置かれていた熱いお茶をゆっくりと飲む。

「夏油呪詛師に会って説得していました。高専に戻らないか、と」

「二年もか!?」

「はい」

 さも当然のことのように答える。五条呪術師はまだ何か言いたげな表情をしているが、言葉には表現しづらいのかずっともだえ苦しんでいる。面白いのでそのままにしておこう。

 私は二年間、ずっと離反した夏油呪詛師のもとで高専に戻るように説得し続けていた。何度も、何度も、邪魔をされようと、罵倒されようと。諦めずに執念深く説得し続けた。酷い殺され方をした時もあったが、それでもめげずに食らいついた。
 そんな調子だから当然夏油呪詛師はもちろん、その他の夏油呪詛師の取り巻きからも相当な嫌われ方をした。
 けれども日が経つにつれて私の強い気持ちが伝わったのか少しずつ彼らからも信頼を得るようになった。本当に少しずつ、私の話も聞いてくれるようになった。
 そして私の努力が実ったのは説得を続けて二年後の今日、夏油呪詛師がとうとう折れてくれてようやく私はやるべきことを終えたわけである。
 ただ、五条呪術師には寂しい思いをさせたのかもしれない。

「……なんで僕に言わなかったの…………!」

 私の肩に五条術師の頭がトンと乗る。少しだけ重い。

「私一人の方が捗ると思いました」

「二年もかかっておいて?」

「結果良ければ全てよしです」

 予想よりもかなり時間をくったが、まあ結果的には夏油呪詛師を連れ出すことができたのだからいいだろう。二年、覚悟はしていたがまさか本当に年単位にまで及ぶとは思っていなかった。それほど私のプレゼン能力が壊滅的だったということだろうか、悲しいものだ。

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ガシヤマ(プロフ) - れーとさん» イベントに参加させていただきありがとうございます! 自慢の作品なので神作と言ってもらえてとても嬉しいです。気が向いたら他の作品も読んでみてくださいね。 (1月31日 18時) (レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
れーと - 初コメ失礼します。どうしてこんな神作がいかにもふざけている名前のイベントに参加してくれたのか分からなかったです。イベント参加ありがとうございますorz。(絵がおじょうずなっこって) (1月31日 17時) (レス) @page34 id: 52d6184189 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ - 白うささん» お読みいただきありがとうございます! またまだ未熟なところもありますが、私の作品をもっと色んな知ってもらえるようにがんばっていきたいと思います! (1月5日 20時) (レス) id: 5392177912 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - あ、あれ?最後まで読んだら目から鼻水が((初コメ失礼します!!最高な作品でした!!ありがとうございます!!(?) (1月5日 20時) (レス) @page19 id: a68f5e51e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ガシヤマ | 作成日時:2024年1月1日 19時

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