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「もう今更、戻れないんだ」

「戻れます」

「戻れない、百人以上もの人間を殺した。まあ、アレを人間と言えるのかはわからないけれどね」

「戻れます、私がなんとかします」

「意味わかんない」

「お願いします、戻ってきてください」

「聞き飽きた」

「お願いします」

 彼女は再び頭を下げる。懲りない女だ、またさっきのように呪霊に殺されて痛い目を見るとか考えないのだろうか。
 一人呆れていると、彼女は頭を下げたまま「嫌なんです」とポツリと口にした。今度はなんだ。

「私は、このままじゃどうしても嫌なんです」

 声が少しだけ強くなったように感じる。

「このままでは、五条呪術師が変わってしまう」

「変わる?」

「貴方が高専に戻ってきてくれれば、きっと、元に戻るはずなんです」

「何が」

「……お願いします、戻ってきてください」

 私の声が聞こえていないのだろうか? 彼女は全くもって私の質問に答えてくれない。しかし、イライラするものの怒鳴る気分ではなかった。
 彼女らしくない、切実そうな声が己の心に鈍く刺さり、思うように口が動かなかった。

「他の方法があるはずです。呪詛師になって、多くの人を傷つけて、苦しめて、幸せを奪って……そんなの違う。
 もっと他の、穏便な方法があるはずです」

「そんなものは存在しない」

「決めつけてはいけない、選択肢は案外あるもんです」

 彼女は顔を上げ、真っ黒な瞳でしっかりと私の姿をとらえながらハッキリ口にした。



「納得させてみせます、何ヶ月、何年かけてでも、必ず」

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ガシヤマ(プロフ) - れーとさん» イベントに参加させていただきありがとうございます! 自慢の作品なので神作と言ってもらえてとても嬉しいです。気が向いたら他の作品も読んでみてくださいね。 (1月31日 18時) (レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
れーと - 初コメ失礼します。どうしてこんな神作がいかにもふざけている名前のイベントに参加してくれたのか分からなかったです。イベント参加ありがとうございますorz。(絵がおじょうずなっこって) (1月31日 17時) (レス) @page34 id: 52d6184189 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ - 白うささん» お読みいただきありがとうございます! またまだ未熟なところもありますが、私の作品をもっと色んな知ってもらえるようにがんばっていきたいと思います! (1月5日 20時) (レス) id: 5392177912 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - あ、あれ?最後まで読んだら目から鼻水が((初コメ失礼します!!最高な作品でした!!ありがとうございます!!(?) (1月5日 20時) (レス) @page19 id: a68f5e51e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ガシヤマ | 作成日時:2024年1月1日 19時

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