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家政婦を雇えるぐらいにバイトで稼ぐと決めて始めたこのバイト、夏休み限定の補助監督バイト。
 補助監督というのは主に呪術師たちの送り迎えやその後の処理の手続き、書類整理などなどを担当するいわば裏方。
 実はこう見えてそういう家系に生まれてきた私、まあ言う程私個人は大した実力もない所謂小物なのだが。
 人間の負の感情から発生する謎多き生命体呪霊から日々人々を護るために奮闘している呪術師の存在は、幼い頃から把握していた。こういうバイトがあったということも把握済み。
 家政婦を雇えるぐらいの大金を稼ぐとなると、やはり一般的なしょぼいバイトでセコセコ稼ぐよりかはこっちのバイトの方が圧倒的に効率が良い。仕事は大変とはいえ稼げる金額は他とは比にならない。
 短期間で大金を稼ぐとしたらこのバイト一択である。バイト漬けの夏休みというのも悪くはないのかもしれない。
 因みに今日は呪術師たちの学び場である東京都立呪術高等専門学校に通う一人の呪術師をお迎えに上がり、任務の現場まで送り届ける仕事を担わっている。

「五条呪術師、お迎えにあが――」

 扉を開けた直後、私の顔面にベチャリと音を立てながら真っ白なパイが直撃する。同時に聞こえてくる下品な笑い声。
 ボトリと顔にはりついていたクリームの塊が床に落ちる。

「……今日のクリームはこだわっているとみました。鼻の奥がツンとするような辛みがあり、目が少し痛みます。
 これはわさびですね」

「そろそろ怒っていいんですよ、ホントに」

 眼鏡にクリームがベッタリくっついていて何も見えないがおそらく声からして夏油呪術師だろう。五条呪術師と仲の良いあの前髪が特徴的な。
 胡散臭い顔をしているけれど彼は結構優しい人だ。こうして私の心配もしてくれる。
 まあ、五条呪術師の悪戯には慣れっこなので心配されるほど深刻なものとは考えていないけれど。

「つまんねーの、いっつも平然としやがって」五条呪術師は舌打ちを一つ。

「五条、好きな子に意地悪するのも程々にな」

 次は女性の声だ、家入呪術師だろう。
 彼女は私にハンカチを握らせ「さっさと眼鏡拭きなよ」と呆れた様子でそう言った。その奥で五条呪術師が「んなわけねーだろバーカ!!」と叫んでいる。
 自分の眼鏡を拭きながら「五条呪術師は私のことをお慕いで?」と訊ねると彼は「真に受けんじゃねーよ自意識過剰女!」と返ってくる。聞いただけだというのに酷い言われようだ。

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ガシヤマ(プロフ) - れーとさん» イベントに参加させていただきありがとうございます! 自慢の作品なので神作と言ってもらえてとても嬉しいです。気が向いたら他の作品も読んでみてくださいね。 (1月31日 18時) (レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
れーと - 初コメ失礼します。どうしてこんな神作がいかにもふざけている名前のイベントに参加してくれたのか分からなかったです。イベント参加ありがとうございますorz。(絵がおじょうずなっこって) (1月31日 17時) (レス) @page34 id: 52d6184189 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ - 白うささん» お読みいただきありがとうございます! またまだ未熟なところもありますが、私の作品をもっと色んな知ってもらえるようにがんばっていきたいと思います! (1月5日 20時) (レス) id: 5392177912 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - あ、あれ?最後まで読んだら目から鼻水が((初コメ失礼します!!最高な作品でした!!ありがとうございます!!(?) (1月5日 20時) (レス) @page19 id: a68f5e51e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ガシヤマ | 作成日時:2024年1月1日 19時

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