△楽しみと ページ6
私の毎日の楽しみは、駅までの短い道を先輩と帰ること。
「しゃお、聞いて!
今日、コーヒー買ってたらね、すごく綺麗な人がいたんだよ。」
「綺麗な人?うちの会社の?」
しゃおは私と二人だけの時は、呼び捨てでタメ口じゃないとなぜか拗ねる。
会社の最寄駅から三駅の場所にあるのは私の家。
会社の最寄駅からさらに乗り換えをして帰るのはしゃお。
いつも送ってくれる、と言ってくれてはいるのだが、私も社会人、帰るのがただでさえ遅いのに、好意とはいえ申し訳ない気持ちになるので、いつも断っている。
しゃおは家に帰ってからも忙しいだろうし。
「しゃおってさ、実況、ってやつやってるんだよね?」
「まあ、そうやで。」
しゃおの実況、というやつはまだ見たことがないけど、何かのグループであることと、その人たちがとても楽しい人たちだということは知っている。
「…見てみようかな?」
「えっ、いや、なんもおもろないって!
ほら、見てもつまんないからさ、見んほうがええって!」
そこまで否定されるとなぁ…。
好きな人のことを知りたいだけなんだけど…。
「しゃおが活躍してるところを見たいの!」
「か、活躍…かぁ…。
動画によっては俺空気みたいなもんやけど…。」
じゃあ見てもいいじゃん、ってまた聞いたけど、やめて!って犬のような目でお願いされたから、とりあえず見ないよ、と返しておく。
…ちょっと気になるけど。
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作者名:unazin&紫雨 x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年2月27日 22時