△コーヒーと ページ3
私は仕事の合間にコーヒーを飲むのが大好きで、しかもとても甘ったるいものをよく飲む。
今日も一回の自販機で買った甘いミルクコーヒーにスティックシュガーを注ぐ。
一口口に含むと、温かで柔らかいミルクの風味が私を包むようだった。
『…あの、すみません。』
「え、あ、邪魔でしたか!?」
慌てて自販機の前から退くと、同い年くらいだろうか、でもどこか大人びた雰囲気の女性が立っていた。
『コーヒー、お好きなんですか?』
「あ…はい。
甘いコーヒーが好きなんです。」
そうですか、と呟いた彼女が押したのはブラックコーヒー。
「ブラック、ですか。」
と零すと、くす、と微笑まれる。
『いろいろ疲れたときは、これを飲むんです。
上司とか、仕事とか、友達とか、スッキリ片付くような気がして。』
じゃあ、私はこれで、と去って行った彼女はどこの部署だろうか。
また一口コーヒーをすすり、飲めないブラックコーヒーのような憧れを抱く。
「また…、会えるよね?
同じ会社なんだし…。」
よし、と気合を入れなおし、コーヒーの空き缶を捨て、私も仕事に戻った。
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作者名:unazin&紫雨 x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年2月27日 22時