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△動揺と ページ11

「え、あ、なまえ、ど、ど、どうした、んっ…!?」


かみかみになりながら顔を真っ赤にそめたしゃお。

しばらく停止していた脳をフル回転させ、自分がやってしまったことを思い返す。




―――しゃおと、き、キス、しちゃった…!


私もこんな歳にはなったけど、人並みに女子ではあるわけで、

告白されたい、キスは彼からされたい、なんて思う。



「……ご、ごめん!!
 あははー…、私ってば何してんだろー…。」


誤魔化したって顔の火照りが収まるわけじゃない。

ぱたぱたと手で仰ぎ、横目でしゃおを見る。



ぎゅっ



「…しゃ、お?」


「……。」



そんな効果音がぴったりだろう、なんて動揺している割に、私はまだ余裕があるみたいだ。


前から私より10センチ以上高いしゃおに抱き着かれているため、お互いの顔はわからない。






「…俺、ちょっとなまえにな、
 その…、遠慮、しててん。」



「…うん。」




今度は私の肩を両手でつかみ、ぐい、と距離が縮まる。



「初めての彼女じゃないけど、すっげぇ大切にしたいと思ってんねん。」


「…しゃお…。」


いつもより真剣な顔をしたしゃおに、心臓がばくばくと鳴り始める。



「…その、あのな…。」


「私は、嫌じゃないよ。
 しゃおになら、何されてもいいから。」



少女漫画のヒロインが言いそうなセリフ。

こんな小綺麗な言葉を言ってしまったことに若干の恥ずかしさを感じる。



―――でも、本心だし。



「…なまえには、かなわへんわ。」



今度は相手から。

距離かぜろになる。

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作者名:unazin&紫雨 x他1人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年2月27日 22時

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