【鬼滅の刃】始祖と鬼狩り〜伍〜

鬼狩り２０８ ページ8

〜童磨サイド〜



すると鬼狩りは、塵を見るような目で俺を見た。


無一郎「正気じゃないな。頭大丈夫？ やっぱり腐ってるよね。


こんなに吐き気がする鬼は初めて」


童磨「えーーっ！」


この子すっごい辛辣！ 言葉に棘がありすぎる！


どうして初対面なのに刺々しいんだろう。うーん……そうか！


童磨「何か、辛いことがあったんだね？ 聞いてあげよう。話してごらん」


無一郎「辛いこと……。


強いて言うなら、君のその血を被ったみたいな頭がダサくて見苦しいってことぐらいかな」


それ、俺の悪口だと思う。


無一郎「あとその性格かな。声を聞くだけで不快。


笑ったり泣いたりやけに表情豊かだけど、全部空っぽで何も込められてない。


感情があるフリでもしてるつもりなの？ 滑稽すぎて見てられないから死んだ方がいいよ」


童磨「……君は意地の悪い子だね。何でそんな酷いこと言うのかな？」


こんな酷い子と話していても時間の無駄だな。


けれど、“あの子”に会うための人質くらいにはなってくれるだろうか。


女の子じゃないし相手にする意味もないけど、柱ならきっと彼女と仲が良いはず。


俺はそう判断し、とりあえず動きを封じるべく鬼狩りの背後へ扇を振るう。


しかし鬼狩りは瞬時に屈んで扇をかわし、腹を斬りつけてきた。


氷の攻撃も回避して、身を翻しながら距離をとる。


御子の粉凍りで肺をやられているはずなのに、反応速度は衰えていない……か。


童磨「血鬼術・凍て曇」


全身を凍らせて動きを止めようとするが、鬼狩りは高く跳躍してまたもや回避する。


童磨「血鬼術・蔓蓮華」


空中ならば回避しづらいだろうと氷の蔓を伸ばすと、すべて斬り裂かれて砕けてしまった。


なかなか決め手を打てないけど、体力は確実に削っている。


童磨「じゃあ次はどうかな？」


扇を振り、氷の巫女を作り出す。


巫女の吹く息で広範囲を凍結させ足場を奪う。


それらもすべてかわされるけど、距離はどんどん開く一方だ。これじゃ俺の頸なんて斬れないだろうに。


溜息をついた、その直後。





＿＿＿＿＿鬼狩りの刀が、俺の頸へと迫っていた。

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