【鬼滅の刃】始祖と鬼狩り〜伍〜

鬼狩り２１５ ページ15

〜炭治郎サイド〜



＿＿＿＿＿鳴柱の神室Aと霞柱の時透無一郎が、上弦の弐を撃破した。



この衝撃的な話は瞬く間に鴉によって広められ、すべての鬼殺隊員たちを震撼させた。


かく言う俺もその一人。いや驚かないわけがないだろう。


上弦の陸との戦いから月日が経っていないのに、Aはまたしても上弦の鬼を倒したのだ。


鬼の被害を受けた呉服店には、鬼殺隊からも復興援助をするらしい。


上弦の弐はかつて、元花柱で今は育手をしている胡蝶カナエさんを追い詰めた敵……。


しのぶ「ただただ驚くばかりです。姉の仇を討ってくれた二人には感謝してもし切れません」


カナエさんの妹であるしのぶさんは、そう言って穏やかに微笑んでいた。


俺はカナエさんと何度か話したことがあるけど、しのぶさんと似た雰囲気のとても優しい女性だ。


上弦の弐との戦いで重傷を負ったが、それがたったの2日で完治したという。


あり得ない治癒力……しかし血鬼術が原因ではないかと疑われ、経過観察のため柱を引退したのだとか。



善逸「上弦の弐を倒した霞柱の人とA、ほぼ無傷だったらしいぜ。やべぇよな」


饅頭を食べながら、任務帰りの善逸は遠い目をしてどこかを見つめている。


炭治郎「柱はすごいなあ……」


伊之助「柱っつーかAがやべぇだろ。


あいつがいる任務、尽く上弦と対等に戦ったり上弦を倒したりしてねぇか？」


言われてみればそうだ。


上弦の参からの襲撃を犠牲なく耐えたのも、上弦の陸や上弦の弐を倒したのも。


全部、Aがいた時。


善逸「ところで炭治郎」


善逸はふと思い出したように俺の方を向く。


善逸「お前、刀は大丈夫なのかよ。上弦との戦いで刃毀れしてただろ」


炭治郎「ああ。それなんだが、新しいのがなかなか届かないんだ。


鋼鐵塚さんにはすでに伝わってるはずなんだけど」


善逸「その鋼鐵塚って人から届いた手紙……蝶屋敷に届いてたらしいぞ。


まだ読んでないのか？」




………えっ？ 鋼鐵塚さんからの手紙？

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