鬼狩り42 ページ42
〜しのぶサイド〜
しのぶ「お、おはよう……じゃなくて!!
怪我は!? 昨日の今日で治るような状態じゃなかったでしょ!?」
私は慌てて駆け寄り、姉さんが本物かどうか確かめるようにその顔を両手で軽くつねった。
カナエ「それがね、私にもよくわからなくて」
姉さんは驚き焦る私に対し、困ったように笑う。
カナエ「朝起きたら、体はどこも痛くないし苦しくもないし……歩けるかなって思って、試しに廊下に出てみたところだったの」
しのぶ「どういうこと……?」
私はとても混乱していた。
けれど……姉さんがこんなに元気になって、ものすごく喜んでいる自分がいる。
あの日、痛々しい姿で倒れているのを見つけて以降、悲しみに暮れていたから。なおさら嬉しくなる。
でも………。
こうも不可解だと、裏に何かがあるのではと勘繰ってしまう。
しのぶ「たとえば、鬼の仕業……とか?」
そう呟いて首を傾げる。
異能の鬼が持つ能力は、その鬼によって様々だ。
怪我を癒すとか……そういう血鬼術を使える鬼がいたっておかしくはない。
仮に奴らの仕業だとして、何のために? 姉さんの怪我を治すことで鬼になんの利益が?
柱の怪我を治すなんて、鬼にとっては損以外の何物でもないと思うけれど。
カナエ「もしそうだとしたら、私を助けてくれた鬼のおかげかもしれないわね」
私の呟きを聞いて、姉さんはそう言った。
そういえばあの時……倒れていた姉さんは、鬼に助けられたと言っていた。
しのぶ「ねえ。その話前もしてたけど、本当なの?」
カナエ「本当よ。鬼に助けられるなんて、私も初めてだったけど……」
しのぶ「だってあり得ないわよ。鬼が人間を助けるなんて____」
反論するように言いかけて、私はふと思い至る。
そう、あり得ないんだ。
“人間の大怪我が2日で治る”のも、“鬼が人間を助けた”ことも。
姉さんの周りで、あり得ない現象が立て続けに起きているということになる。
やっぱりこれは____なにか、ある。
確証はない。仮説に過ぎないから。
けれど、知りたい。
しのぶ「まずはお館様に報告しないと」
最愛の姉の身に、何が起こったのか。
私が……解き明かさなきゃ。
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サリア(プロフ) - きのこさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年3月2日 11時) (レス) id: 5231526d40 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - この作品超好きです!!更新頑張って下さい! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 45b1b66d37 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - ふ ろ ふ き 大 根さん» コメントありがとうございます!更新頑張ります!(*´∇`*) (2020年2月28日 19時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
ふ ろ ふ き 大 根(プロフ) - ストーリーめっちゃ好きです!!続き楽しみにしてます( ・∇・)更新がんばってください!! (2020年2月28日 16時) (レス) id: cfd0445662 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!神作品だなんて…嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年2月27日 23時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サリア | 作成日時:2020年2月26日 15時