鬼狩り４１ ページ41
〜貴方サイド〜
真夜中の蝶屋敷。
私は人目を気にしながら、花柱の胡蝶カナエさんが眠る部屋へと向かっていた。
しのぶさんは言った。カナエさんは血鬼術の影響で肺が壊死しており、全集中の呼吸が使えなくなることは確実。
そしてそれ以外にも後遺症が残り、剣を握ることはおろか日常生活にも影響が出るかもしれない、と……。
あの日、自分の身に何が起こったのか記憶が無い。自分でも把握できていない。
鬼としても鬼殺の剣士としても未熟な半端者。きっと、それが今の私の姿だ。
そんな私でも、鬼として仲間の役に立ちたい。
貴方「ここだ……」
辺りに人がいないのを確認しつつ、私はカナエさんの眠る寝台へと近づく。
未だ目を覚ますことなく深い眠りにつく彼女に、そっと手をかざした。
貴方「血鬼術・医神の慈悲」
淡い金色の光が、カナエさんの体を包む。
この血鬼術は、どんな傷も病気も瞬時に治癒する力がある。だが死者には何の効果も為さない。
光が弱まり、そして消える。
もうカナエさんの体は、完全に治っているだろう。明日から、いや今から問題なく動けるくらいに。
ただの自己満足だということはわかってる。混乱を招くのは必須だ。……それでも。
この人のために、この人を想う妹のために、何かせずにはいられなかった。
貴方「おやすみなさい……」
私は誰にも聞こえないような小さな声で呟き、部屋を後にした。
〜しのぶサイド〜
Aさんから話を聞いた翌朝、私は姉さんの容態を確かめるため部屋へ向かっていた。
そこで目にしたのは＿＿＿＿ピンピンした様子で廊下を歩く、姉さんの姿。
しのぶ「…………！？」
驚愕のあまり、手に抱えていた書類を床にすべて落としてしまった。
私は……幻を見ているの？
姉さんに元気になってほしいという願望が、とうとう私自身もおかしくしてしまったの？
カナエ「あら、しのぶ！ おはよう」
書類が落ちる音で振り向いた姉さんは、いつもと変わらない柔らかな笑顔を浮かべた。
いつもの姉さんだ。でも………あり得ない！
姉さんは重傷だった。肺を始めとした内臓を、鬼との戦闘でボロボロにされてしまっていたから。
それが＿＿＿＿1日2日で意識が戻ることはおろか、立って歩いているなんて！！
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サリア(プロフ) - きのこさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(´∀｀*) 更新頑張ります！ (2020年3月2日 11時) (
レス) id: 5231526d40 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - この作品超好きです！！更新頑張って下さい！ (2020年3月1日 23時) (レス) id: 45b1b66d37 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - ふ ろ ふ き 大 根さん» コメントありがとうございます！更新頑張ります！(*´∇｀*) (2020年2月28日 19時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
ふ ろ ふ き 大 根(プロフ) - ストーリーめっちゃ好きです！！続き楽しみにしてます( ・∇・)更新がんばってください！！ (2020年2月28日 16時) (レス) id: cfd0445662 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます！神作品だなんて…嬉しいです(´∀｀*) 更新頑張ります！ (2020年2月27日 23時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サリア | 作成日時：2020年2月26日 15時
