鬼狩り36 ページ36
〜しのぶサイド〜
隠と共に私が町へ到着した時、すでに東の空は明るくなりかけていた。
あちこちに倒れている隊士たち。血だらけで、見るも悲惨な状況。
花柱……姉さんたちの戦っている相手が上弦の鬼だということは、すでに報告があった。
それ以降は何の報せもなく、急いで駆けつけたが……
この現場だけで、鬼の圧倒的な力を物語っている。
しのぶ「姉さんは無事なの!?」
隠「花柱様は、まだ見つかっておりません……」
私は隠に指示を出しながら、不安で押し潰されそうになるのをこらえて姉さんを探し回った。
そして町の外れで……倒れている姿を見つけた。
しのぶ「姉さん!」
私は無我夢中で駆け寄り、その上体を抱き起こす。
姉さんは意識を失いかけていて____けれど、弱々しく全集中の呼吸を繰り返していた。
肺が傷ついているのか、安定はしていないけど……出血をかろうじて抑えている。
今すぐ治療すれば、確実に助かる!
しのぶ「姉さん……! よかったッ……」
本当に、本当によかった……!
姉さんは強いけど、この町での戦況がまったく伝わってこなかったから……
もし上弦の鬼に殺されてしまっていたらどうしようって……
そんな後ろ向きな思考にずっと支配されて、不安で仕方なかった。
カナエ「しの……ぶ……」
姉さんがわずかに口を開いた。
しのぶ「無理しちゃダメ! 今屋敷に運ぶから、休んでて!」
カナエ「鬼、が……」
何かを言いたそうにしている。敵のことを気にしているのだろうか?
しのぶ「朝になったから、上弦の鬼はもういない。安心して」
カナエ「違うの……私を、助けて……くれた……鬼が……」
え……?
姉さんを助けた鬼? 何それ……?
鬼が人間を助けるなんて、そんなのあり得ないのに?
隠「生存者の隊士を1名発見しました!
気を失っていますが、傷をほとんど負っていません! 無傷に近いです!」
困惑していると、背後から隠の声が聞こえた。
しのぶ「……わかりました。花柱と一緒に、蝶屋敷へ運んでください」
とにかく、今は考えている場合ではない。
私は思考を切り替え、姉さんと生存者の隊士を搬送するべく立ち上がった。
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サリア(プロフ) - きのこさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年3月2日 11時) (レス) id: 5231526d40 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - この作品超好きです!!更新頑張って下さい! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 45b1b66d37 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - ふ ろ ふ き 大 根さん» コメントありがとうございます!更新頑張ります!(*´∇`*) (2020年2月28日 19時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
ふ ろ ふ き 大 根(プロフ) - ストーリーめっちゃ好きです!!続き楽しみにしてます( ・∇・)更新がんばってください!! (2020年2月28日 16時) (レス) id: cfd0445662 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!神作品だなんて…嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年2月27日 23時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サリア | 作成日時:2020年2月26日 15時