鬼狩り34 ページ34
〜カナエサイド〜
鬼の血鬼術によって生み出された氷が、私に今にも止めを刺そうとしている。
もう避けられそうもない。刀を握るだけでも精一杯だ。
悲しいし、辛いけれど……せめてしのぶたちには、幸せになってほしい……。
そう、叶うかもわからない願望を抱いた、その時。
・
____鬼の上半身が、派手に吹き飛んだ。
・
カナエ「……え?」
驚きに目を見張る。
今まさに私を殺そうとしていた鬼の上半身は、綺麗サッパリ無くなっていた。
そして背後から近づいてくる、新たな鬼の気配。
まさか、新手の鬼……!?
そう思って身構えた直後。
近づいてきた影は私に興味を示さず、スッと横を通り過ぎた。
鋭い牙、鋭い目、鋭い爪。間違いなく鬼だ。
通り過ぎた時に見えたその鬼は、美しい大人の女性のような見た目をしていて____とても綺麗な琥珀色の瞳を持っていた。
だけど……身が震え上がるほどの激情に突き動かされているように見えた。
鮮やかな長い髪をなびかせて、女鬼は私が戦っていた鬼に向かって進んでいく。
鬼殺隊である私より、同族を攻撃しようとしている……!?
??「ん? んー? 誰かな?」
私が戦っていた鬼の上半身は、すでに復活していた。
笑みを崩さぬまま、女鬼を見据える。
??「俺は童磨っていうんだけどさ。君は? 俺に恨みでもあるのかい?」
声の調子は、まるで変わっていない。ついさっき上半身を吹き飛ばされたというのに。
私は差し迫っていた命の危機から解放されたことで、力が抜けるのを感じた。
その場に倒れ込んでしまうが、どうしても目の前の出来事から目を離せない。
童磨「まさか鬼に邪魔されるとは思わなかったよ。
俺はその子を救おうとしただけなのに、どうしてこんなことをするの? 酷いなぁ」
貴方「………」
女鬼は何も答えない。言葉はおろか、唸り声すら上げず、無言を貫いている。
鬼____童磨は、そんな女鬼に痺れを切らしたのか、唐突に攻撃を仕掛けた。
童磨「血鬼術・冬ざれ氷柱」
巨大なつららが降り注ぎ、私と女鬼めがけて襲いかかる。
かわせない___そう目を瞑った直後、私の体は女鬼に抱えられて後方へと飛んでいた。
つららをかわした後、女鬼は私の体をそっと地面に優しく横たえた。
____鬼が、私を助けてくれた……?
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サリア(プロフ) - きのこさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年3月2日 11時) (レス) id: 5231526d40 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - この作品超好きです!!更新頑張って下さい! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 45b1b66d37 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - ふ ろ ふ き 大 根さん» コメントありがとうございます!更新頑張ります!(*´∇`*) (2020年2月28日 19時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
ふ ろ ふ き 大 根(プロフ) - ストーリーめっちゃ好きです!!続き楽しみにしてます( ・∇・)更新がんばってください!! (2020年2月28日 16時) (レス) id: cfd0445662 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!神作品だなんて…嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年2月27日 23時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サリア | 作成日時:2020年2月26日 15時