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鬼狩り33 ページ33

〜貴方サイド〜


町に辿り着く前から、強い鬼の気配と漂う濃い血の匂いに嫌な予感がしていた。


そして町に足を踏み入れた途端、愕然とした。


そこかしこに転がる鬼殺隊士の亡骸。凄惨な殺戮現場。


そして____鬼舞辻に近い、けれど鬼舞辻本人のものではない血の匂い。


貴方「ねえ、私以外に駆けつけた他の隊士はいるの?」


鎹鴉「町ノ近クニイタ隊士ニハ呼ビカケタ。シカシ皆ヤラレテシマッタ」


そうか____


これは……これだけのことをやれる鬼は間違いない……


十二鬼月だ。鬼舞辻に気に入られ、血を多く分け与えられている強い鬼。


鎹鴉「ココニハ柱モ来テイル。花柱ノ胡蝶カナエ。


彼女ガドコカデ鬼ト交戦シテイルハズダ。探スノダ!」


貴方「わかった。……ねえ、もうすぐ夜が明けるよね?


この中にまだ生存してる隊士がいるかもしれない。日が昇ったらすぐ治療できるように、隠の人たちを呼んできて!」


私はそう言って、鎹鴉に使いを頼んだ。


ここにいる人たちを早く助けたいけれど、まずはどこかにいる鬼を倒さなければ……!


鬼の気配を辿り、町の中を駆け抜ける。


そして____




貴方「いた……!」



好青年のような、柔和な表情をした鬼。


その前で、なんとか立ちながらも今にも倒れそうな……蝶の髪飾りをつけた女性。


そして、その鬼が私の視界に入った瞬間____

















私は、自分が自分でなくなるような、そんな感覚に陥った。
















この感覚は____そう、千年以上昔。


父様と母様を鬼舞辻に殺された、あの時と似ていた。




記憶を揺さぶられる____




感情に呑まれ、自分を制御できなくなるあの恐怖が蘇る。



でも、そんな……どうして!?


あの鬼から感じる鬼舞辻の血の濃度が高いから……!? でもあいつは鬼舞辻本人じゃない!!


それなのに、今にも頭がおかしくなりそう……ッ!!





憤怒、憎悪、悲しみ____そして発狂。





この濃い血の匂いがまるで起爆剤だったかのように、記憶の奥底から沸き起こる負の感情。





ダメ、こんな所で正気を失っては……!!


まずはあの女性を助けなきゃ!!


今は、あの時のようになりふり構わず暴れていい場面じゃない……ッ!!






鬼が扇を開き、今にも女性に攻撃しようとしている。



助けなきゃ。あの人を………



助ける…………







そこで、私の意識はぷっつりと切れた。

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サリア(プロフ) - きのこさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年3月2日 11時) (レス) id: 5231526d40 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - この作品超好きです!!更新頑張って下さい! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 45b1b66d37 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - ふ ろ ふ き 大 根さん» コメントありがとうございます!更新頑張ります!(*´∇`*) (2020年2月28日 19時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
ふ ろ ふ き 大 根(プロフ) - ストーリーめっちゃ好きです!!続き楽しみにしてます( ・∇・)更新がんばってください!! (2020年2月28日 16時) (レス) id: cfd0445662 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!神作品だなんて…嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年2月27日 23時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サリア | 作成日時:2020年2月26日 15時

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