【鬼滅の刃】始祖と鬼狩り

鬼狩り３２ ページ32

〜貴方サイド〜



今日も今日とて鬼の頸を斬る夜を送っていた私は、任務も片付いていたので暗闇の中帰路についていた。


怪我をすることが滅多になく＿＿＿＿というか怪我をしてもすぐ治るため、治療を必要としない。


蝶屋敷という、負傷した隊士の治療所として開放されている柱の私邸があるらしいが、まだ行ったことがない。


不老不死の体……そこは鬼の利点だと思う。


鬼舞辻を倒そうにも、死んでしまっては元も子もないし。


そういえば私、全集中の呼吸を使って鬼を倒してるから、最近血鬼術を使わないな。


けど＿＿＿＿


鬼の前で血鬼術を使ったら、その鬼を通して鬼舞辻に見られて、私のことが伝わるかも……？


そしたら、千年以上前に喰い損ねた小娘がまだ生きてるってことが明らかになって……鬼舞辻の方から私のところへ来るかもしれない。


そう考えると、あえて血鬼術で鬼を倒すのも手かもしれないと思った。


私だってまがいなりにも『始祖』。


血鬼術でならどんな鬼にも勝つ自信があるし、その気になれば強制的に鬼どもを従わせることだってできる。


たとえ相手が＿＿＿＿“上弦の鬼”と呼ばれる強い鬼でもね。



仮にもしそうするとなったら、私は鬼としての本来の力を出さなきゃいけない。



鬼舞辻が現れたら……私が奴を喰い殺してやるッ！！



鎹鴉「カァー！！ 次ハ南西ヘ向カエ！！」


突然、鎹鴉がそう叫んだ。


貴方「え！？ 近くに鬼が出たの？」


鎹鴉「南西ノ町デ鬼殺隊ガ鬼ト交戦中ダ！ シカシ、戦況ガ良クナイ！


神室A！ 直チニ援護セヨ！」


貴方「……！！ よし、すぐ行くね！」


戦況がよくない……強い鬼が出たのだろうか。


もしかして十二鬼月とか？ 十分にあり得る。とにかく気をつけなければ。



そう考えながら、私は南西へと全力で走った。

鬼狩り３３→←鬼狩り３１

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す