鬼狩り46 ページ46
〜カナエサイド〜
柱を一時的に引退することになったが、入れ替わるようにして柱に就任したのは妹のしのぶだった。
しのぶの気持ちは伝わった。私の意思を引き継いでくれるのもとても嬉しい。
でも、しのぶは本当にそれでいいの?
カナエ「柱になったら、これまで以上に強い鬼と戦うことになるわ」
しのぶ「それくらい、覚悟の上よ。
私は鬼の討伐数は50を超えているし、下弦だけど十二鬼月を倒した経験もある。柱就任の条件は満たしてる」
カナエ「それはそうだけど……」
確かにしのぶは強い。強いけど、上弦の鬼は……私が対峙した『上弦の弐』の強さは……
カナエ「上弦はとても強い。しのぶでは敵うかどうか」
しのぶ「強いのはわかってる。ずっと顔ぶれが変わらなくて、姉さんも大怪我して……
でも、上弦に怯えていたって何にもならないでしょ?」
カナエ「……私は、しのぶには普通の女の子としての幸せを手に入れて、お婆さんになるまで生きてほしいと思ってる」
そう本音を伝えても、しのぶは顔色ひとつ変えなかった。
しのぶ「そんなの無理よ。両親を殺されて、姉を傷つけられて、今さらおとなしく生活するなんて。
私は死ぬ間際まで鬼と戦うし、人々を助けたい」
決意の籠もった声。私は何も言い返せなかった。
カナエ「そう……わかった。それがしのぶの気持ちなら」
きっとしのぶには、しのぶなりに決めた強い意思があるのだ。
私は姉として、それを尊重するべきなのかもしれない。
だからこそ____私も決めたことがある。
カナエ「私、柱を引退している間育手をすることにしたの」
そう話すと、しのぶは驚いた顔をした。
しのぶ「えっ!」
カナエ「育手をやるにはまだ若いって思われちゃうかもしれないけど、私も何らかの形で鬼殺隊の力になりたいと思って。
花の呼吸を他の剣士たちにも伝えていきたいし。ね?
でも、教えるのはしのぶの方が上手なのよね。カナヲもしのぶのおかげでお箸を使えるようになったから……」
しのぶ「わ、私のことは別にいいでしょ!
けど、育手をやるのは私もいいと思う。蝶屋敷でなら安全だし、呼吸を伝えていくのは確かに大事よね」
しのぶは怒りつつも、育手をやることに賛成してくれた。
たとえ刀を握って戦えなくても……私は妹を、剣士たちを支えたい。
そのためなら、なんだってできる。
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サリア(プロフ) - きのこさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年3月2日 11時) (レス) id: 5231526d40 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - この作品超好きです!!更新頑張って下さい! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 45b1b66d37 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - ふ ろ ふ き 大 根さん» コメントありがとうございます!更新頑張ります!(*´∇`*) (2020年2月28日 19時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
ふ ろ ふ き 大 根(プロフ) - ストーリーめっちゃ好きです!!続き楽しみにしてます( ・∇・)更新がんばってください!! (2020年2月28日 16時) (レス) id: cfd0445662 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!神作品だなんて…嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年2月27日 23時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サリア | 作成日時:2020年2月26日 15時